「まじわかる」「羨ましい」ウィル・スミスのビンタ事件、日本女性は“支持一択”の真相

 今年のアカデミー賞授賞式では、濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞するなど明るいニュースがもたらされたが、それよりもワイドショーで話題となっているのがウィル・スミスのビンタ事件。長編ドキュメンタリー映画部門で、プレゼンターとして登場したスタンダップ・コメディアンのクリス・ロックが、病気で脱毛症のため髪を剃っているウィル・スミスの妻、ジェイダ・ピンケット・スミスに対し「ジェイダ 大好きだ! GIジェーン2に登場するのが楽しみだ!」と言ったことに対し、ブチ切れたウィル・スミスが舞台に上がり、クリス・ロックにビンタ一閃。「俺の妻の名前を二度と口にするな!」と言い放ち席へと戻っていった。

 GIジェーンとは、超エリート海軍特殊部隊の訓練プログラムに参加する主役のオニールが髪を刈り、男性と同等に過酷な訓練に挑戦する映画で、もちろんだが“2”の製作予定などはない。

 ウィル・スミスは主演男優賞のスピーチの場でも、そして自身のインスタグラムでも自らの行いを謝罪しているが、クリス・ロックから、ジェイダに対する謝罪のコメントは、3月30日段階でまだない。

 ワイドショーなどでは、「暴力は良くないけれど、でも言葉の暴力は〜」といった、両方に非がある的な無難なコメントをする人が多いなか、ネット上では「ウィル・スミスかっこいい」「グーパンじゃなかっただけ偉い」「ウィル・スミスが謝罪する必要なし」とウィル・スミスに同情する人が大多数。

「大切な人の病気をからかわれたら殴りたくなるのは当たり前。なんでアメリカではクリス・ロックの擁護論があるのか。それよりも妻の尊厳を守ろうとしたウィル・スミスはかっこ良すぎる」と高評価、むしろ爆上がりなのだ。

「このニュースを聞いて、本当にジェイダが羨ましくなった。うちの旦那は男尊女卑が残る地方出身だけれど、法事などで親戚が集まって、嫁の私に下品な下ネタや、酷い言葉を浴びせられても、止めるどころか一緒になって笑ってる。挙句に、これぐらい聞き流せよ、とか、空気読めよ、と言って私が怒るのを非難してくる。お前はどっちの味方なんだ、って感じ」(40代女性)

「新人の頃の会社の飲み会で、容姿についてからかわれて泣きそうになったら、それが笑い飛ばせないのは大人じゃないとか、言い返せるようになって一人前だとか、さらに屈辱的な言葉を吐かれて、もう少しでビンタしそうになったことがある。ウィル・スミスの気持ち、まじわかる」(30代女性)

 日本社会において、妻や女性部下が屈辱的な言葉を浴びても、場の空気を読んでなぁなぁにしようという夫や男性同僚にムカつく女性は、今回のビンタ事件に「よくやった」「こんな夫だったらよかったのに」という羨ましさを感じているのだ。

 そんな中、コメンテーター陣の中でもっとも歓呼の声を集めたのが梅沢富美男。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)でこのニュースを取り上げた際、「俺もやるね。うちのかあちゃんのことを言われて、もしも止められても楽屋まで飛んでいくよ」とコメント。妻を侮辱されたら俺もやる、と言い切った。

 もし奥さんや彼女に、ウィル・スミスのビンタ事件をどう思う? と聞かれたら正解は一つ。どっちも悪いよね〜、ではなく「俺も君が侮辱されたらビンタするなぁ」だ。裁判官の立場ではなく、姫を守る王子様ポジションに立ってコメントしよう。

(ロドリゴいしざわ)

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