アイアンマンがやることか…アカデミー賞でロバート・ダウニー・Jr.が「アジア系軽視」を指摘された受賞シーン一部始終

 日本時間の3月11日に発表された、映画界の祭典「アカデミー賞」。日本でも生中継を楽しんだファンも多かったが、授賞場面で視聴者を凍らせるシーンがあり、トレンドでもちょっとどころじゃない騒ぎになっている。

 そのシーンとは、メインの賞の1つでもある「助演男優賞」。受賞者は今回の大本命と言われた映画「オッペンハイマー」からのノミネートとなった、ロバート・ダウニー・Jr.。プレゼンターだった昨年の同賞受賞者、キー・ホイ・クァンが満面の笑顔とともに甲高い声でダウニーの受賞を告げると、会場からは割れんばかりの拍手。ダウニーも立ち上がってそれに応え、まさに大物俳優の風情で壇上へと向かった。しかし、問題が起こったのはその直後だった。

 壇上でプレゼンターのクァンがオスカー像を持って待っていたが、ダウニーは壇上へ上がる際も上がってからもクァンには一瞥もくれず、差し出された手からオスカー像をもぎ取るように持つと反対側に立っていた同じく俳優のティム・ロビンスのほうへ笑顔で話しかけに行った。その後もダウニーはクァンに近づこうともせずスピーチへ…。

 この光景を目の当たりにした日本の視聴者や彼のファンは「ウソでしょ…」「アイアンマンがやることか…」とア然。アジア人俳優のクァンに対しては瞬く間に同情の声が広がった。

「普通はプレゼンターの正面に立ってオスカー像を受け取りますし、握手したりハグするのが当たりまえ。それが相手の顔を一瞬たりとも見ず、まるで軽くハンカチでも奪い取るような振る舞いでしたからね。ダウニーといえば近年はマーベル映画のアイアンマン役として日本でもファンが増え、ヒーローのイメージが定着しつつあっただけに、まさかの好感度急降下でしょう」(エンタメ誌ライター)

 とはいえ、今回の件で一部の映画評論家がすでに指摘しているように、ダウニーはもともと薬物騒動を起こすなどお騒がせ俳優でもある。

「本来は正義の味方とは程遠い面も持つクセの強い役者。ですから今回の『オッペンハイマー』でも『えっ、これがアイアンマン?』と驚くような見事な演技での受賞で、それ自体には異論はないのですが、今回は意識しての無視だったのか、それとも高揚からだったのは分からないものの、あっという間に炎上してしまった。受賞式後のバックステージではクァンと一緒に写真も撮っており安心したとの声もありますが、その時点で今回の態度が問題視されていることが耳に入っていた可能性もあります」(エンタメ誌ライター)

 テーマ的に日本ではすでに賛否両論のなか、3月29日に公開される「オッペンハイマー」。その興行の足を引っ張らなければいいが…。

(塚田ちひろ)

エンタメ