クリストファー・ノーラン監督最新作「オッペンハイマー」が3月29日に公開されることが決定し、映画ファンの間で「見る?」「見ない?」の論争が勃発している。
「オッペンハイマー」は“原爆の父”と呼ばれる米国の物理学者、ロバート・オッペンハイマーを描いた伝記映画。8日に発表された「第81回ゴールデングローブ賞」では、作品賞(ドラマ部門)、監督賞を含む5部門を受賞。また24日には「第96回アカデミー賞」で最多13部門にノミネートされたことも明らかになった。米国では昨年7月に公開され、累計興行収入は9億5000万ドル(約1450億円)を突破。実在の人物を描いた映画としては歴代1位だという。
ところが日本では「原爆」というセンシティブな内容が物議を醸し、これまでなかなか公開日が決まらなかった。一時は「日本では公開されない」というウワサも流れており、公開を待っていたファンにとっては朗報といえるだろう。
一方、不快感を抱く人も少なくないようで、ネット上では「見る?」「見ない?」の侃々諤々の論争が繰り広げられている。
「『オッペンハイマー』の日本公開が24日に発表されましたが、同日には第96回アカデミー賞のノミネーションも発表され、『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞に、また宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞部門の候補に挙げられています。一部の映画ファンからは、日本映画快挙の朗報に『オッペンハイマー』の公開日解禁をあえて合わせてきたと深読みする声も上がっています』(映画ライター)
米国では昨年、映画ファンたちが映画「バービー」と「オッペンハイマー」を掛け合わせて「#Barbenheimer」(バーベンハイマー)のハッシュタグを作り、2作の映画ビジュアルをコラージュするファンアートが拡散。キノコ雲を背景にポーズを取るバービーの画像に不快感を訴える声が日米双方から上がり、日本の配給元である「ワーナー ブラザース ジャパン」が不適切投稿を謝罪している。
原爆が無邪気にミーム化されたことで、映画自体に拒否反応を示す人も少なくない。果たして、「オッペンハイマー」は、日本ではどのような評価を受けるのだろうか…。
(ケン高田)