しかし、より深刻な問題は、この鈴木外務副大臣が鈴木宗男参院議員(74)の娘だという点である。自民党有力議員が続けて指摘する。
「『プーチンのポチ』と言われた宗男氏は、国後島にある『日本人とロシア人の友好の家』を巡る利権疑惑、いわゆる『ムネオハウス疑惑』で逮捕され、実刑判決を受けた。宗男氏はプーチンの大統領就任後、世界で初めて謁見を許された政治家でもあり、この時、犬好きのプーチンに対して、ソニーが開発・販売した犬のロボット、アイボをプレゼントしている。情にもろく涙もろい生来のキャラクターは、まさに人たらしプーチンの格好の標的だった」
その宗男氏もロシアのウクライナ侵攻に対する国会の非難決議にはさすがに賛成したが、自身のオフィシャルブログではまたぞろ、プーチンを次のように擁護しているのだ。
〈ゼレンスキーが(ウクライナの)大統領になってからミンスク合意、停戦合意を履行しなかったことが今日の事態を招いている。3年前から誠意を持って話し合いをすればロシアが動くことはなかった〉
ならば、ロシアにでもウクライナにでも乗り込み、停戦へ向けた仲介の労を取るのが筋ではないのか。
第4の戦犯は、森喜朗元総理(84)である。
「総理としての森氏の最初の訪露を根回ししたのが宗男氏。その後、森氏とプーチン大統領の関係は互いを『ヨシ』『ウラジーミル』と呼び合うまでに発展した。また、総理退任後も、柔道家で知られるプーチンに柔道五輪金メダリストの山下泰裕氏を引き合わせたり、プーチンについて『人間的に理解し合った』『義理堅い男』と公言もしていた。安倍氏や宗男氏と同じく、今なお手玉に取られていたことに気づいていない」(自民党本部関係者)
極め付きは鳩山由紀夫元総理(75)だ。ロシアによる14年のクリミア侵攻後に「元総理」として現地を訪れるや、ロシア擁護のトンデモ発言を繰り返して世の批判を浴びたことは周知のとおり。ところが「宇宙人」とも称されるこの御仁は、今回のウクライナ侵攻に対しても自身のツイッターで驚きの言説を展開していたのである。
〈ウクライナのゼレンスキー大統領は自国のドネツク、ルガンスクに住む親露派住民を「テロリストだから絶対に会わない」として虐殺までしてきたことを悔い改めるべきだ。なぜならそれがプーチンのウクライナ侵攻の一つの原因だから〉
その上で〈友愛精神で戦争をなくさなければならない〉とノーテンキにツイートしているのだからアキレ返る。この際、国会は議員立法で「鳩山由紀夫に『元総理』の肩書を使用させない法律案」でも提出してみてはどうか。そして、ここに挙げた、プーチン大統領におもねり、極限まで増長させた「不見識極まる5人」の責任を追及すべきではないのか。
*「週刊アサヒ芸能」3月31日号より