“暴君”プーチンに騙された「日本人5人」を断罪する【2】ヒステリックな親ロシア議員

 自民党有力派閥の大幹部が嘆息する。

「安倍さんには独裁者を説得できる自信がなかった。さりとて、今さら『ウラジーミルとはそれほどの仲でもない』とも言えない。そこで日本の非核3原則に一石を投じる核シェアリングで世の耳目を集め、自民党屈指のタカ派としての存在感を誇示、維持しようとした。要するに、普段は威勢のいいことを言っているが、イザとなれば屁の突っ張りにもならなかったということだ」

 独裁者にまんまとダマされた第2の戦犯は、その安倍政権で長らく外相を務めてきた現在の岸田文雄総理(64)である。外務省幹部が指摘する。

「外相就任から1000日の節目にあたり、カウンターパートだったロシアのラブロフ外相に『(記念すべきこの日を)初めて訪問したモスクワで迎えました』とのメッセージを送りました。自他ともに認める外交オンチで、安倍外交に任せきりにした結果、北方領土返還交渉でもロシア側にしてやられた。しかも岸田さんがヨイショしてみせたラブロフ外相は、国連人権理事会で今回のウクライナ侵攻を正当化する演説をブチ上げて総スカンを食らった超問題人物なのです」

 3月14日の参院予算委員会では、ロシアに対する約21億円の経済協力金の存在がヤリ玉に挙げられた。この予算案は16年に安倍氏がプーチン大統領に約束した8プランからなる経済協力の一環で、立憲民主党の森裕子議員(65)からは、次のような厳しい追及の火の手が上がったのだ。

「プーチン大統領の行動に国際社会が一致団結してノーと言っている時に、なにが日露経済協力、8項目のプランですか。止めるべきですよ、こんな予算!」

 だが岸田総理は「たちまち修正することはできない」などという腰抜け答弁に終始。審議が中断、紛糾する中、森議員から、

「この戦争を真剣に止めるために経済制裁をやるのではないのですか! 我々は全く逆の予算案を審議させられている」

 と、トドメを刺されてしまったのだ。この総理はいったい誰のために、どこを向いてモノを言っているのか。

 岸田総理は、鈴木貴子衆院議員(36)を外務副大臣に抜擢している。対露外交に詳しい自民党の有力議員は苦々しい表情で吐き捨てた。

「鈴木議員は新党大地、民主党を経て自民党入りした政界渡り鳥。民主党時代にはロシアのクリミア併合に対する日本の経済制裁に対して『止めたほうがいい。それが国益に資する』などとヒステリックに主張していた。その確信犯的とも言える親ロシア議員を今も外務副大臣の要職に就かせているとは、岸田総理はいったい何を考えているのか」

*「週刊アサヒ芸能」3月31日号より。【3】につづく

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