元バレーボール日本代表でタレントの川合俊一氏が22日、日本バレーボール協会臨時理事会で新会長に選出。オンラインで就任記者会見を行った。20年のビーチバレー国際大会での診断書偽造を黙認、隠蔽したことが発覚し、前会長の嶋岡健治氏が今年1月に解任。ほかにも3人の幹部が処分を受け、信用を失った協会の再建を託された格好だが、問題はこれだけではない。
「Vリーグの運営です。94年の開幕時点では前年にスタートしたサッカーのJリーグのような完全プロ化を目指しましたが企業側の賛同を得られず、96年に断念。変わったのはリーグ名だけで実際には実業団リーグでした。それでも18年には再びプロリーグ構想をもとにリーグ改革を進めましたが、これも結果的にはセミプロリーグ止まりで従来のVリーグと大して変わらない有様。昨年12月には男子ディビジョン1(1部リーグ)のFC東京が今年5月での活動休止を発表しましたが、いつまで経ってもプロリーグ化できないVリーグに見切りをつけたとも言われています」(スポーツジャーナリスト)
ただし、川合氏は日本ビーチバレー連盟会長としてバレーボールに先駆けてプロ化を推進。大会にも多くのファンを集め、興行として成功させた実績を持っている。
「知名度のある方なので話題作りで就任した客寄せパンダと誤解する人もいますが、実務能力の高さと組織のトップとしてリーダーシップを発揮してきた人物です。それに川合新会長は投資家としても知られており、優れたビジネス感覚も持ち併せている。バレー界の救世主として期待する関係者も多い」(同)
会見では「失った信頼を回復するのは難しいですが協会内の力を結集し、一致団結させることが私の役割」と語った川合氏。
組織改革やVリーグ問題に加え、東京五輪で男子7位、女子10位に沈んだ代表チームの強化など課題は山積み。来年6月までの任期中にどれだけの結果が残せるのか今後の取り組みを見守っていきたい。