【女子バレー】戦術が丸裸に! 古賀紗理那の酷使も響くパリ五輪メダル獲得への課題

 バレーボール女子日本代表がネーションズリーグ(NL)で大会初の銀メダルを獲得。これは2014年のワールドグランプリ(現NL)の「銀」以来、10年ぶりの主要国際大会でのメダルだった。

 今回の銀メダルは、古賀紗理那主将の奮闘なしではあり得なかった。

「15試合に出場した古賀は272得点で全体の2位。攻撃面ばかりではなく、ディグ(サーブレシーブ以外の繋ぎのレシーブ)部門でも3位。まさに攻守の大黒柱として結果を出しました」(夕刊紙記者)

 ただ、喜んでばかりはいられない。目標はあくまでもパリ五輪でのメダル獲得だ。

「今大会前に五輪出場を決めたトルコ、セルビアなどは五輪代表入りのボーダーラインの選手で編成していました。特にセルビアなどは監督も不在という不気味さでした」(バレーボール担当記者)

 しかもメダルを狙う強豪国はどこもITを駆使した分析班のレベルが年々上がっている状況だ。

「五輪出場を昨年のW杯で決めていた男子日本代表は、石川祐希や高橋藍などエースを温存するターンオーバー制を敷いていました。ただ、これはどの国でも当たり前のこと」(同)

 そんな中、女子代表の場合はまずはパリ五輪出場権を目標に置いていたため、古賀を酷使せざるを得なかったというわけだ。

「その古賀は大会期間中、右肩に疲労軽減のテーピングをしている試合もありました。開幕まで1カ月となったパリ五輪に向け、そうしたコンディションの問題に加え、今大会で全てを出し切った古賀のプレーや日本の戦術が丸裸にされてしまった可能性が高く、対応が急務です」(前出・夕刊紙記者)

 女子代表の五輪でのメダル獲得は、「秘策」をどこまで作れるかがカギを握りそうだ。

(小田龍司)

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