横断歩道で歩行者から道を譲られても発進で罰金?意外な“交通ルール”が大注目

 先ごろ、とあるツイッターユーザーによる投稿が話題となったのだが、まずはその内容を見てみよう。

「信号の無い横断歩道の歩行者の皆さん…お願いがあります…貴方のために止まった車に…道を譲らないで下さい…譲った後に貴方が横断したら…運転者は“歩行者横断妨害”の違反になるのです…たとえ貴方が譲る意思を見せても違反になるんです…渡るなら今渡って…あと対向車止まれや…」

 これが3万件以上の「いいね!」が付くなど拡散されており、ネット上で議論を巻き起こしているのだ。

「指摘されているのは、道路交通法第38条にある『横断歩道を渡る歩行者を妨害してはならない』という取り決めのことで、信号のない横断歩道や自転車横断帯で人や自転車がいた場合、クルマは一時停止しなければ違反点数2点と反則金9000円などのペナルティーが科せられますが、一時停止したとしても歩行者から道を譲られて先にクルマが横断歩道などを通過してしまったら、歩行者への妨害行為として道路交通法違反に当たる可能性があるのです」(クルマ事情に詳しいライター)

 冒頭のツイートを受け、ネット上では《横断歩道で一時停止したら、歩行者から手でどうぞどうぞされたから発進したんだけど、警察に見つかって違反切符切られたことあるわ》《俺もこれで9000円払った。いや、マジで納得がいなかったんだけどね》など実際に違反として警察に取り締まられたという声も見られた。

「その一方で、《歩行者が道を譲るジェスチャーをした時点で歩行を妨害したことにはならないから、違反切符に疑問》といった声も少なくありません。なお、道交法の取り締まりにおいては現場警察官の判断によるところが大きいので、同じ状況でも違反になったりならなかったりすることがあるようです。そのため、ひとまず横断歩道の近くに人がいた場合は必ず一時停止をして、歩行者から道を譲られたとしても一度は譲り返し、それでも渡らないようなら進むくらい慎重になった方が、警察官に説明する上でもいいかもしれませんね」(同)

 いずれにせよ、運転者は何より譲る気持ちを大事にしなければならない。

(小林陽三)

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