玉川徹氏が生放送中の「反戦プラカード」に異論「別にテレビでああやって…」

 ロシアの国営放送「チャンネル1」の生放送中に、女性プロデューサーが乱入し、「戦争反対。戦争をやめろ。プロパガンダを信じるな」と書かれたプラカードを掲げたのは3月14日夜のこと。海外メディアの報道によれば、翌15日にはこの“乱入女性”に対して裁判所が3万ルーブル(約3万円)の罰金刑を言い渡したが、ロシア政府が新たに制定した法律で「軍に関する虚偽情報を広める行為」に該当すれば、最大15年の禁錮刑を科される可能性もあるという。

 3月16日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でこの話題を取り上げ、コメンテーターの玉川徹氏は持論を展開。「やっぱ僕、戦争っていうのは悪だと思ってるんですよね」と前置きして女性プロデューサーの訴えを「勇気のある行動」「尊敬に値する」と称賛してこう続けた。

「ひるがえって考えたらですね。僕も日本が戦争を始めるとかの状態になっていくというのは本当にダメだと思っているんですよ。あらゆる意味で…。なので見習いたいと思います。彼女を」

 しかし、女性プロデューサーが「反戦プラカード」を掲げたことについては、半笑いで「別にテレビでああやってプラカードを掲げるっていうことを見習うってことではなくて」と異論をはさみつつも、「いかにしてその戦争という状態に自分の国を持っていかないかということを含めて、突きつけられたという感じがしますね」とコメントした。
 
 これを受けてMCの羽鳥慎一アナは「白い紙を見せただけで違法行為、拘束というのも異常な状態ですね。ロシア国内は」と語った。
 
 このやりとりを見ていたネット民からは《テレビ朝日って「アイアムノット安倍」掲げられた放送局でしたよね》《やっぱり生放送中のプラカードには反対なのか》といったツッコミの声があがっていた。
 
「イスラム国によるテロや軍事行動が目立った2015年、『報道ステーション』に出演していた元経産官僚の古賀茂明氏が『I am not ABE』と白字で書かれた黒いボードを出して、安倍政権に批判の声をあげました。当時の安倍政権はイスラム国と戦う国に2億ドルもの支援を表明するなど、対立姿勢を強めたことで、日本もテロの標的にされる可能性が生じました。古賀氏は『日本人の命を守るために安倍さんの考え方を否定すべきだった』とのちにインタビューで語っていましたが、この“プラカード事件”がきっかけで番組を降板させられる事態に。そこには官邸の圧力が影響しているとも言われていました。テレビ朝日にとっては『政権に屈したテレビ局』というイメージを植えつけられた歯がゆい出来事でした」(政治ジャーナリスト)

 テレビ朝日社員の玉川徹氏が生放送中のプラカードに違和感を覚えたのも「I am not ABE」が頭をよぎったのが理由だろうか。

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