玉川徹氏が番組復帰も「電通関与発言」の謝罪で触れなかった「核心部分」

 テレビ朝日の玉川徹氏が10月19日、レギュラーコメンテーターを務める「羽鳥慎一モーニングショー」(同局系)に出演。事実誤認の発言により10日間の出勤停止後の登場とあり、注目を集めた。

 番組冒頭、玉川氏は報道フロアから「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、および菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と謝罪した。

 今後については、「事実確認こそが報道の根幹。その原点に立ち返るべきだと考えました。これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして(『モーニングショー』で)報告する」とし、事実上、レギュラーコメンテーターの降板と見られる発言を残した。

 玉川氏は9月28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬において、菅義偉前首相の弔辞に「当然これ、(広告大手の)電通が入っていますからね」などと発言。翌日の放送で「この発言は事実ではありませんでした。電通は全く関わっていないということがわかりました」と事実誤認を認めて謝罪。事態を重く見たテレビ朝日は10月4日、玉川氏を5日から10日間の出勤停止にすると発表した。

 10月5日の放送では、キャスターを務めるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が事実誤認発言を改めて謝罪。その際、「なぜ今回、このような発言になったのか、説明を改めてするべき、そして謝罪をするべき」と玉川氏に注文を出した。にもかかわらず‥‥。

「この日の放送では事実誤認については『慢心とおごりがあった』とだけ発言し、詳しい経緯は明かされませんでした。視聴者が知りたいのは〝電通が入ったとの情報はどこで得たのか〟という1点に尽きます。確かな情報源や自信がなければ、〝当然これ、電通が入っている〟などと断言できません。情報の出どころはどこだったのか、またはなぜ電通が入っていると思い込んでいたのか、核心部分の具体的な説明がなかったのは残念でした」(週刊誌記者)

〝事実確認こそが報道の根幹〟と出直しをするのであれば、自らの事実誤認の経緯も明かすのが本筋ではないだろうか。

(石田英明)

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