ロート製薬の“地下鉄ジャック広告”が「身につまされる」「胃が痛くなる」と話題

 ロート製薬が、スマートフォンのアラームを大量に設定してある画面を使用した広告を電車内に掲載し、世のビジネスパーソンからさまざまな声が寄せられている。

 話題となっているのは、3月6日から東京メトロ銀座線・丸ノ内線の車両に掲載されている目薬「ロートジーシリーズ」の広告で、車両のいたるところに5分刻みで大量にアラーム設定されたスマホ画面が貼り付けられ、「朝、ムリ」「君のスマホもこんなことになってない?」「あなたのまわりを見回してください。みんな、アラーム画面はこれです」などのキャッチコピーが添えられている。

 なお、製作に協力したプロダクトデザイナーのもにゃゐずみさんは、同広告の意図について「『朝に二度寝をしてしまう大半の理由は、実は目の渇きを眠気と勘違いしているせいなので、目薬をさせば一発』という割と有用な知識を認知するための取り組み」と説明しているが、ネット上では《冬に起きられない理由がわかった》《この試みはインパクトある》と好意的な意見の一方、《足元でこのラッピングはしんどい》《また広告で社畜煽りですか》《自分のアラームと完全に一緒だ。見ているだけで胃が痛くなるわ》など、身につまされるという声も少なくなかった。

「昨年10月にはJR品川駅のコンコースにあるディスプレイに『今日の仕事は楽しみですか。』という文字だけの広告が大量に表示され、《仕事がつらい人の気持ちをまるで分かってない》《社畜を上から目線でバカにしているだけの中傷広告》など批判が殺到し、掲載からわずか1日で広告は取りやめとなり、掲載主の『AlphaDrive/NewsPicks』が謝罪する事態となりました。ただ、今回のロート製薬の広告はあくまでなかなか起きられない人に目薬の有用性を伝えるCMであり、社畜を揶揄するものではありませんから、そこまで過剰に反応するべきではないと思いますが…」(ITジャーナリスト)

 大量に設定されたアラーム画面は見ていてあまり気持ちいいものでないのは確かだが、風刺も許されない不寛容な世の中もいっぽうで息苦しい。

(小林洋三)

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