超大型「キオクシア」「東京メトロ」10月上場で日経平均爆上がりはあるか

 このところの日本の株価は、日経平均が4万円を超えて一気に下げ、その後も乱高下を繰り返し、8月の値幅は8月29日終値時点で7625円となり、近年では過去2番目の振れ幅を記録した。そしてこの10月には、2つの大型新規上場があると報道されており、となれば株式市場は活気づき、ともすれば4万円超が当たり前の爆上がりがあるかもしれない。

「もともと24年には楽天証券や東京メトロの新規上場があると見込まれていますが、この東京メトロが10月にも上場があるとの観測に加え、さらに同じ10月にキオクシアの上場が報じられています。大型上場があれば、当然、株式市場は沸きます。日経平均は4万円を超えたところで一旦落ち着き、継続的賃上げなどが見込まれれば年内には4万円台を超えて5万円まで望めるとの見方がありましたが、いずれにせよ大型IPOは、踊り場から脱出してさらに先を見越すには良い材料になると言えます」(経済ジャーナリスト)

 東京メトロの株式は、国が50%超、東京都が50%弱をほぼ折半で保有している。東京・山手線内の地下鉄は、都営地下鉄と共に独占していて、それゆえ潰れることがない企業と言える。

 一方のキオクシアはもともと東芝のメモリー半導体事業会社で、同社を上場させることで親の東芝に恩恵をもたらすはずだったが、その東芝は昨年に株式市場から姿を消してしまった。キオクシアは改めて上場申請し、巨額の設備投資に備える予定だ。

「東京メトロは、他の鉄道会社が当たり前のように行っている不動産事業が、ないわけではないもののほとんど手つかず。これが上場で完全民間企業になってより多くの利益を求めるようになれば、ビジネスの幅が大きく広がって、開発に関わる周辺事業者も含めて活況を呈することになるでしょう。またキオクシアは、まず半導体が旬の分野であること。そして市況の悪化から一旦は見送ったものの、20年に上場申請が認められた時の時価総額は1兆5000億円。今回も同額以上を目指しており、間違いなく今年最大のIPOになると見られています」(同)

 いずれにせよ、大型IPOを市場が喜ばぬはずがない。日経平均爆上がりの、強気予想が実を結ぶことになるか。

(猫間滋)

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