「ノーベル賞を受賞している山中伸弥教授がマスクなしで問題ないとアピールしてくれていますよ」「全国のランナーの皆様 山中教授はマスクせずに走っておられるので、皆さんも外しましょう! もう我慢しなくて良いのです!!」
こうした声が数日前からSNS上に上がっている。文中〝山中伸弥教授〟〝山中教授〟とあるのは、言わずと知れた京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏。世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した医学者だ。
山中氏は20年3月、「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」というサイトを開設。感染症の専門家ではないが、新型コロナやワクチンに関する情報を発信し、感染拡大への警戒感を強めている。
20年4月には動画投稿サイト・YouTubeで「公園でジョギングをしている人が多くなっているような気がします」と話し、「(無症状の感染者が)走って大きな息をすると、周りに、もしかしたらウイルスをまき散らしているかもしれません」と警鐘を鳴らし、「走る時にマスクをすると、顔にくっついて苦手」という人には、鼻から下をすっぽり覆う「ネックゲーター」の使用を推奨するなど、ジョギング中でも周囲への配慮としてマスクの着用を呼び掛けていた(注・動画は現在非公開)。
ところが、2月16日配信のランニング専門サイト「ランナーズonline」では、同月11日に開催された「ランナーズフルマラソンチャレンジ2022 in 大阪」に山中氏が〝ノーマスク〟で力走していた写真が掲載された。この写真を見て、一部のネット民がSNS上でランナーに呼びかけたのが冒頭の言葉である。
「ジョギング中でもマスク着用を呼び掛けていた山中教授が、ノーマスクでマラソンに出場したことに驚いたランナーもいたようです。山中氏の真意はわかりませんが、レース中はノーマスクでも感染リスクは少ないと判断されたのではないでしょうか。呼吸がしづらくマスク着用に抵抗があったランナーは、これで安心したはずです。ただ、山中氏の言うようにノーマスクで走ると、通行人らに感染させたり自らが感染するリスクが上がることを忘れてはいけません」(スポーツ紙記者)
マスク着用とノーマスク、どちらのリスクが大きいか? ランナーにとって悩みどころだ。
(石田英明)