NHKの“実証実験”はネット受信料導入への布石? 視聴者に拡がる疑心暗鬼

 NHKでは今年4月以降、テレビを持たない人らを対象にネットを通じて番組を試験的に配信する実証実験を実施することが決まっているが、これに“ネット受信料を徴収する布石ではないか”と疑心暗鬼の声が広まっている。

 現在、NHKは「NHKプラス」でネット同時配信をしているが、これは受信料を支払う契約者のみしか利用できないため、テレビを持たない人やテレビをほんど観ない人を対象にネット配信をしてどのように受け止められるかを調査するという。1回あたり最大約3000人に1週間~3カ月程度実施する予定で、前田晃伸会長によれば「ネット受信料を前提にした実証ではない」としている。

 しかし、「第72回NHK紅白歌合戦」が過去最低の視聴率を記録するなどテレビ離れが進む中で、現在NHKの受信料支払い義務は「放送を受信することができる受信設備」があることで発生するが、今後はスマホやパソコンなど「ネットが受信できる設備」も対象にするのではないかとの指摘が相次いでいるのだ。

「そんな中、ディスカウントストア『ドン・キホーテ』で販売する『チューナーレス スマートテレビ』が売り切れ続出につき、2月中旬から再販されることが決定しました。同製品はAndroid TVが搭載され、YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオを視聴できるようになっていますが、地上波放送が視聴できないのにもかかわらず人気になっているのです。この購入者の中には、NHKの受信料を支払わないために選択している人がいると捉えることもできます。そんな状況でもしNHKが受信料の対象を『ネットが受信できる設備』に拡大すれば、大きな反発を招くのは間違いないでしょう」(メディアライター)

 実証実験の結果、どんな結論が出るのだろうか…。

(小林洋三)

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