2月7日、JRグループが今年の「青春18きっぷ」の発売についてJR東日本のウェブサイトで発表した。
これまでどおり春季、夏季、冬季の3期間で利用でき、価格は1万2050円。
同時に青春18きっぷと組み合わることで、奥津軽いまべつ~木古内の北海道新幹線と道南いさりび鉄道に乗車できる「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も発売する。こちらは2490円。
「例年どおりに青春18きっぷが発売されることがわかり、鉄道ファンはホッと胸をなでおろしています。というのも青春18きっぷは毎年『去年が最後で今年は発売されないのではないか』と心配されてきたから。ひとまず今年は発売されるということですが、来年もあるかどうかはわかりません。なくなってもいいように、今年思う存分利用したいものです」(鉄道ライター)
だが青春18きっぷを取り巻く環境は大きく変わった。今では利用価値は下がっていると指摘する声もある。
「青春18きっぷで乗車できるのは普通列車と快速で、特急は特急券を購入しても乗車できません。そこでカギとなるのが快速。特に夜行の快速列車『ムーンライト』は18きっぷのよきパートナーでした。ところが、ムーンライトは次々に姿を消し、14年にはムーンライトえちご、18年には信州、そして20年には東京から西へと向かう場合の定番だった、ながらが運行を終了。ムーンライトがなくなってしまったんです。これでは昔のような青春18きっぷ旅はできません」(前出・鉄道ライター)
そこで今はこれまでとは違う旅のプランを組み、異なる楽しみ方をする必要がありそうだ。これまで青春18きっぷといえば、ムーンライトを利用して生活拠点から離れた土地に行き、旅情を味わうのが主流だった。
「今はグループで楽しむ人が増えました。青春18きっぷは5枚1セットになっていて、同じルートなら同時に複数人で使うことができます。このルールを利用して、例えば東京駅から高崎線のグリーン車に乗り(普通列車のグリーン車はグリーン券を購入すれば利用可能)、高崎駅で上越線に乗り換えて越後湯沢駅へ。駅ビル内の商業施設で飲食を楽しみ、お土産を買って帰ってくるという旅はどうでしょうか。友人たちとのんびり楽しめますよ」(前出・鉄道ライター)
春にはコロナ禍が落ち着いているかも。その時は検討してみてはいかが。