青春18きっぷ“改悪”で利用者急増の予感、「北海道&東日本パス」のお得度

 ルールが大幅に変更され、鉄道ファンから大ブーイングのJRの青春18きっぷ。だが、この裏で利用客急増が確実視されているフリーきっぷがある。「北海道&東日本パス」だ。

 毎年、青春18きっぷとほぼ同じの春夏冬の3シーズンに発売され、この冬の利用期間は12月10日~25年1月10日。23年度までは年度前に次年度の販売期間、利用期間をまとめて発表していたが、今年度はその都度告知されている。特に冬の発売情報に関しては青春18きっぷの改悪発表後の告知となったため、廃止になったと勘違いした者もいたようだ。

 そんな北海道&東日本パスの利用エリアは、 JR北海道とJR東日本に加え、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、北越急行線の快速・普通列車。連続する7日間乗り放題で、価格は1万1330円。一方、新しくなった青春18きっぷは3日間用が1万円で、5日間用が1万2050円。以前と違って1日おきなど利用ができず、また5人で1日分を使うことも不可能に。そうした点を考えれば、乗車可能エリアこそ日本の東半分に限定されるが、青春18きっぷの上位互換といっていい、お得度の高いきっぷになっているのだ。

「特に盛岡―青森は、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線の区間なので青春18きっぷでは利用できません。そのため、首都圏から北上する際は別途乗車券を購入、または遠回りの別ルートを強いられることになり、北海道&東日本パスのほうが効率的に移動できると言えます」(旅行ライター)

 なお、北海道新幹線の新青森―新函館北斗の区間は、同パスだけでは乗車できないので注意が必要。ただし、この区間の特定特急券(4000円)を購入すれば、立席(空いている席)で乗車可能だ。

「青春18きっぷには専用の『北海道新幹線オプション券』がありますが、こちらは4500円と少し割高。それに新幹線に乗車できるのは新青森―木古内の区間となり、そこからJR函館本線に接続する五稜郭までは道南いさりび鉄道の利用となります。海沿い路線なので景色はいいですけどね」(同)

 今後は旅の目的地によってどちらのきっぷにするか使い分けたほうがよさそうだ。

マネー