「ワークマン」“古参客離れ”の影響か? 既存店売上伸び率高が鈍化

 11月8日、作業服大手のワークマンが2021年第2四半期(4月~9月)の決算を発表し、既存店売上高の伸びが鈍化していることが明らかとなった。

「同社の発表によれば、直営店と加盟店を合わせた同期のチェーン全店売上高は737億円で前年同期比108.0%となっており、既存店売上高も101.7%と前年同期を上回っています。しかし、これまでワークマンは既存店売上高が2桁増を続けていたので、売上高の伸び率が鈍化していると感じざるを得ません。なお、同社の月次データを見ると6月の売上高は87.2%、8月は99.3%といずれも前年同期を下回っていて、今年1月4日には8840円あった株価も一時は6000円台前半まで下落しているのです」(経済ジャーナリスト)

 もともとワークマンは工事現場や建設現場などで働く人が着る作業服の専門店だったが、18年以降はアウトドアやスポーツウェアを扱う「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」を展開し、アウトドアブームに乗って売上を大きく伸ばしていた。

「しかし、ここに来ての売上伸び率の鈍化にネット上では《ワークマンって安くて丈夫で機能的なところが良かったけど、最近はデザイン性を重視しているせいかほつれたりする》《マジックテープがインナーメシュに引っかかったり、生地が硬かったり、最近の品質は疑問》などの意見が寄せられています。また、昔から作業服を購入している常連からは《やたらオシャレな人が増えたせいで、ニッカポッカ履いてワークマンに入りづらくなった》などの意見もあります。品質に関しては購入者それぞれで評価が違うのは仕方がありませんが、もしかしたら古参客のワークマン離れが影響しているかもしれません」(前出・経済ジャーナリスト)

 このままいつまでもアウトドアブームが続くとも限らない。以前からの常連を逃しているとすれば、対策が必要だろう。

(小林洋三)

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