政府は11月8日から新型コロナウイルスの水際対策を緩和。外国人のビジネス関係者や留学生、技能実習生ら新規入国者、日本人帰国者の入国後の待機期間が短縮されたが、これに戸惑いの声も少なくない。
「今回の緩和で、昨年末から原則認められていなかった新規入国者の受け入れが再開することとなりました。受け入れ先の企業や団体の行動管理が条件となるものの、ビジネスや就労目的で3カ月以内の短期滞在者は入国後の待機が3日間となり、また日本人の帰国者もこれまでの10日間から3日間に短縮されたのです」(経済ライター)
観光客の入国こそ見送られたが、日本への入国が容易になったことにネット上では、《国内の感染者が減ったから緩和という理屈はおかしい。世界では逆に感染者が増加傾向にあるのだから、むしろ水際対策は強化すべき》《なぜこのタイミング?感染リスクは確実に高くなるだろうし意味がわからない》《どう考えても時期尚早では。これで感染拡大して年末帰省できなくなったら恨むわ》《今のところ水際対策さえしておけば急拡大はないのに、なぜそこを緩和してしまうのか…》など反対意見が相次いでいる。
「現在、ロシアでは1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新し、中国では19年に武漢で始まった第1波以来、最も感染が広範囲に広がっている状況。またイギリスではデルタ株の新たな変異が感染増加を引き起こすなど、他にもフランス、スペイン、ベルギーなど各地でコロナの感染が拡大しています。そんな中、日本は感染者数が減少しているからといって、経済活動再開のために水際対策を緩和すると言われても、不安になるのは当然だと思います。元大阪府知事の橋下徹氏も8日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)で『感染拡大地域から入ってくる人、日本人が行き来する場合を厳格に見ていかないと、そこはメリハリを効かさないとだめだと思う』と語っていましたが、ビジネスや就労目的とごっちゃにした対応では、国内の第6派を起こす引き金になりかねません」(前出・経済ライター)
勇み足にならなければいいが。
(小林洋三)