立民候補“逆転勝利”で注目される小泉今日子の発信力「大好きな人のため」

「投票日の1週間前に行った自民党の調査では、平井卓也氏が優勢で、小川淳也氏に6ポイント以上の差をつけていました。ところがフタを開ければ、小川氏の勝利。およそ2万票差をつけて、小選挙区での議席獲得となりました」(政治部記者)

 10月31日投開票の衆院選で注目を集めた香川1区で12年ぶりに勝利したのは立憲民主党の小川淳也氏だった。勝利の立役者の一人に挙げられるのが女優の小泉今日子だ。小泉は10月28日夜、小川氏のインスタライブに出演し、フォロワーの関心を集めた。

「YouTubeなどで拝見させていただいていて…。いやぁ大変だな〜と思って。そりゃあ声も枯れるだろうな〜という感じで。本当に今日はねぎらいたくてやってきました」

 小泉はこう言って小川氏をねぎらうと、フリーライターの和田静香氏を含めた3人で1時間以上にわたってトークを繰り広げた。

「私は66年に生まれて…。戦争が終わって高度成長期みたいなのを眺めながら21世紀が来る未来を夢見ることができた世代なんですよね」とかつての自分を振り返り、「誰かに任せていたらきっと豊かで素敵な未来がくると思って生きてきた時間が長くてですね」と、政治にあまり関心がなかった時期があったことを明かした。

 小泉といえば、これまでSNSでの「政治的発言」が物議を醸したこともあった。小川氏が日本人と政治の関わりについて、「著名人の方ほど一線を画す」と述べると、小泉はコロナ禍のステイホーム中にSNSを覗いた際に「みんなが憤っているとか不安を抱えていて」「知りたいことが教えてもらえない」という世間の声を目にし、「何か風穴じゃないけどガス抜きじゃないけど、そういうことができたらいいなと思って」「勇気を出そう私。覚悟しよう」「私だけは黙ってたらいけないんじゃないか」という気持ちで政治関連のキーワードをハッシュタグに付け加えたことを明かした。インスタライブの終盤では、

「誰のために投票するのか。もちろん自分のため。でも自分のためっていう理由が見つからない人は、たとえば、自分のまだいないけど未来の子供のためとか。誰かのためにも行動できることだと思うんです。投票って。大好きな人のためでもいいですし、大好きなスターのためでもいいし。きっと誰かのためにも動けることだと思うんですね」と、投票を呼び掛けていた。

 インスタライブには3000以上の「いいね」がつき、香川1区の投票率は57・52%と、前回を5ポイント近く上回ったという。

「小泉さんはあくまで個人的なつながりでインスタライブに出演した模様で、具体的な政策についてあれこれ発言するようなことはありませんでしたが、しきりに投票を呼び掛けていました。投票率のアップが小川氏の勝利につながったのは確かで、改めて小泉さんの発信力に注目が集まりそうです」(前出・政治部記者)

 小川氏が当選した際には、祝福する周囲の支援者らを指して自身のツイッターで「なんて人間らしいのだろう」と祝福のメッセージを寄せた小泉。今後も政治との関わりで有権者の関心を集めそうだ。

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