これは快挙!長谷部誠がブンデスリーガ「べストイレブン」に選出されたワケ

 元日本代表のキャプテンが大きな偉業を成し遂げた。ドイツの大手スポーツ紙『Kicker』が2018-19シーズンのブンデスリーガにおけるベストイレブンを発表し、フランクフルトの長谷部誠が選出されたのだ。

 バイエルン・ミュンヘンのエースで紛れもなくワールドクラスのストライカーであるポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキや、ドイツ屈指のホープとされるDFジョシュア・キミッヒ、さらにはドルトムントのイケメンドリブラー、マルコ・ロイスといった超豪華な面々と共に、「長谷部誠」の名前があった。

 大手スポーツメディア『Kicker』が選出した今回の“ベストイレブン”は、昨年夏よりスタートしたシーズンの総括であり、およそ9カ月に及ぶ長丁場において最も素晴らしかったプレーヤーだけが厳選される価値あるもの。そんな栄えある称号を35歳の大ベテランが頂戴する結果となった背景には、やはり長谷部の戦術的柔軟性と突出したキャプテンシー、そして代表招集からの解放も無関係ではないだろう。

「日本の浦和レッズで活躍していた際には超攻撃的MFとして積極果敢に敵のゴールマウスへ襲いかかる存在だった長谷部ですが、ドイツではサイドからボランチ、守備的MF、サイドバック、センターバックへとポジションを変え、退場者連発の緊急時には守護神としての役割を担ったことすらあります。この通常では考えられないようなポジションの変遷を鑑みるに、やはり自分がやりたいプレーではなく、常にチームが必要とする役割を担えるというのが長谷部の最大の強みと言えるでしょう。今シーズンは所属するフランクフルトが大成功を収め、彼以外にも素晴らしいプレーを披露した選手はたくさんいるんですが、『Kicker』紙のベストイレブンに選出されたフランクフルトの選手は長谷部のみ。大袈裟かもしれませんが、長谷部のおかげでフランクフルトが大成功を手にしたともとれます。また、長年背負ってきた日本代表主将という重責からも解き放たれ、全てのエネルギーをクラブのみに注げたというのも非常に大きな後押しとなったはずです」(スポーツライター)

 なお、『Kicker』は長谷部について「フランクフルトが成し遂げた偉大な成功を保証する存在」と書いており、改めてこの寡黙なMFの功績がいかに凄まじいものだったかを感じさせる。35歳となった今も長谷部の輝きは一切の陰りがないようだ。

(木村慎吾)

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