原巨人が“二重苦”に直面した。佐々岡カープの猛追により、クライマックスシリーズ進出があやしくなってきたのはもちろんだが、目の前で東京ヤクルト・高津臣吾監督の胴上げを見せられる可能性も出てきたのだ。
10月19日、ヤクルトの優勝マジックナンバーが「4」となった。それを指して、こんな声も聞かれた。
「阪神は本拠地甲子園でヤクルトとの2連戦を戦います。2位阪神は目の前で胴上げを見たくない一心です。総力戦となるでしょう」(在阪記者)
ヤクルトの試合日程だが、その阪神戦を終えた後、本拠地・神宮球場で4位広島との2連戦が控える。ヤクルトからすれば、その広島がもっともやりにくい相手となる。
「9月の月間MVPは鈴木誠也と床田寛樹。投打両部門で、広島から選ばれました。終盤戦でもっとも勢いのあるのが広島」(在京球団スタッフ)
それだけではない。三塁の定位置を獲った林晃汰、首位打者争いに加わった坂倉将吾、成長著しい小園海斗、宇草孔基らの若手から「CS、出てみたい!」と前向きな言葉が出ており、3位巨人との3ゲーム差がさらに縮まりそうな雰囲気なのだ。
阪神、広島による最後の抵抗で足踏み状態が続いた場合、次の10月23日からの巨人との連戦が胴上げの舞台となる。原辰徳監督は18日の全体練習前、残り4試合に向けて喝を入れ直したが、
「坂本勇人が死球で右手首付近を痛めており、18日の練習は別メニューとなりました。影響力の大きい選手なだけに心配」(スポーツ紙記者)
と、今後を懸念する声のほうが多く聞かれた。
「CS進出が決定したヤクルト、阪神は『やりたくないのは広島のほう』と、佐々岡カープを警戒していました」(同前)
今の広島の勢いなら、短期決戦のCSでヤクルトを蹴散らしてしまうかもしれない。
CS進出を逃し、その前で胴上げを見せられたら…。最悪の結末を防ぐためにも、原巨人は最後の抵抗を見せなければならない。
(スポーツライター・飯山満)