トランプ大統領主導のもと、中国と貿易戦争を繰り広げるアメリカは5月16日、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁ずる「エンティティリスト」に、中国のファーウェイ(Huawei)とその関連企業68社を追加。これに従い米グーグルは、ファーウェイに対してスマートフォン向けソフトなど一部提供を停止することを発表した。
「ファーウェイのスマートフォンやタブレット端末にグーグル製のアンドロイドOSを搭載していますが、このままいけば、最終的には更新版が使用できなくなるということです。また、グーグルが提供する『ユーチューブ』や『グーグルマップ』『Gメール』なども更新不可となり、新しい端末ではこれらのアプリにはアクセスできなくなる。これが、ファーウェイにとってどれだけの打撃になるかは説明するまでもないでしょう」(経済評論家)
米政府は5月20日になって、8月19日までファーウェイに対する米製品の調達を認める“猶予措置”を発表している。そのためファーウェイでは、自前のOSなどの開発を急ピッチで進めているが、その出来いかんでは一斉にユーザーが“乗り換え”をしてしまう可能性が高いとされる。
「日本市場のスマホ販売シェアは、アップル、シャープに次いでファーウェイが3位となっており、日本人の1割強がファーウェイユーザー。しかも、ドコモなどが販売するタブレット端末の製造委託をファーウェイが請け負っているものも多く、最悪の場合、こちらもグーグルのソフトが更新・使用出来なくなると見られ、パニックが起こる可能性はあります」(ITジャーナリスト)
日本もとんだとばっちりを受けそうだ。
(小林洋三)