この資格でナンボ稼げる?(20)成功者はなぜ険しい岳を目指すのか?「山の知識検定」

 新緑が芽吹き、登山するには絶好のシーズンに紹介したいのが「山の知識検定(通称・ヤマケン)」。さまざまな山の名称や歴史、登山時に役に立つサバイバル術、地図の読み方、気象や植物、登山家のエピソードなど、山に関する幅広い知識が学べる検定です。

 それではさっそく例題を見てみましょう。

〈問1〉竹取物語のかぐや姫のモデルとも言われ、富士山本宮浅間大社に祀られている〝富士山の女神〟は①天探女(あめのさぐめ)、②伊邪那美(いざなみ)、③木花咲耶姫(このはなさくやひめ)、④神功皇后(じんぐうこうごう)のうちどれ?

〈問2〉山岳で太陽光を背に受けた際、正面の霧や雲に映る自分の影の周りに光の輪が現れる現象を①環天頂アーク、②ブロッケン、③外接ハロ、④モルゲンロートのうち何という?

 実際の問題は四者択一方式の他、語群選択式、記述式も出題されます。例題の答えは、〈問1〉が③、〈問2〉が②となっています。

 試験レベルは「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」があり、今年は東京、大阪、名古屋の3都市で試験が行われます。試験の難易度としては、山に関することは何でも出題されるため、範囲が広くけっこう難しいと思います。

 私の出身地、富山県といえば北アルプスに面していて、剱岳など登山愛好家に人気の山々がありますが、私にとって山は登るものではなく、見るものでした。登山といっても、小学校の遠足で立山に登った記憶くらいしかありません。

 しかし、ヤマケンの勉強を通じて山のよさを知り、「へえ、この山、登ってみたいな」と思える山を見つけたり、SNSで登山の写真をアップしている人を見ると、「いい趣味してるな」と思えるようになりました。

 また、登山が一流な人はビジネスマンとしても一流といえます。

 登山には食料や防寒具などの持ち物、ルートの計画といった事前準備が欠かせません。一方で、突然天気が崩れたり、道に迷ったりしても動じず、臨機応変にプランを変更するなど、“危機管理能力”も問われてきます。

 実際、有名経営者の中にも登山愛好家は多くいます。

 創業22年で1兆円以上の売上高を誇る楽天の三木谷浩史社長は、昨年9月、同社幹部120名とともに標高1977メートルの谷川岳に登ったそうです。

 なぜ山に登るのか。三木谷社長は、ある媒体の取材に、「あえて大変な山に臨む。大変なことを全員でやりきるのはビジネスにも通じる」と語っていました。

 部下や取引先との関係作りにも登山はいいでしょう。その際にヤマケンで培ったサバイバル術などを披露できれば、同行者に「この人、頼りになるな!」と一目置かれ、仕事でも信頼を得られるかもしれません。

 ただし、山に登る際はゴミをちゃんと持ち帰り、レスキュー隊のお世話にならないように気をつけましょう。

(すずき・ひであき)

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