パクリ疑惑にイタ電被害も…大ヒット韓国ドラマ「イカゲーム」に想定外の事態

「韓国で大問題となったシーンでは、電話番号にモザイクをかけるなどの修正が行われると思ったのですが本編はそのまま配信され続けています。ある集計サイトによれば、Netflixのコンテンツで7日以上『世界1位』をキープしており、韓国発のコンテンツとしては『パラサイト 半地下の家族』以来の大ヒット。影響力の大きさを考えると、被害の拡大が懸念されるところです」(映画ライター)

 9月17日から配信されたNetflixのオリジナル作品「イカゲーム」。謎の孤島を舞台に、450億ウォン(約45億円)超もの多額の賞金をかけたサバイバルゲームが描かれる。第1話では、多額の借金を抱えた主人公のバツイチ中年男性が、ゲームへの参加を呼び掛けられるシーンが描かれるのだが…。

「スーツ姿の謎の男が地下鉄の駅で、主人公に連絡先が書かれたカードを渡すのですが、そこに書かれた電話番号は実際に一般人が使用しているもの。結果、ドラマを見た視聴者が次々と興味本位で電話をかけることとなり、番号の所有者はイタ電被害に悩まされるハメに。普通はケタの数を変更したり、ハリウッド映画で使われる『555』のように、あり得ない局番を用いるものですが、自分の番号が全世界に拡散されるとは思ってもいなかったでしょう」(前出・映画ライター)

 とはいえ、劇中に出てくる電話番号が視聴者サービスに直結するケースも過去にはあった。日本では2016年に放送された「レンタル救世主」(沢村一樹主演・日本テレビ系)の告知ポスターには「0570」から始まる電話番号が明記され、そこにかけるとキャストの声を聞くことができるというものだった。韓国のエンタメ事情に詳しい芸能記者はこう話す。

「巨額の製作費を投じたNetflixの作品だけに、何か仕掛けがあるのでは…。そんな思いで8ケタの電話番号をプッシュしたファンは多いかもしれません。今回の大ヒットで、続編となるシーズン2が制作されるのは規定路線で、一部では『続編への出演窓口になっているのでは』といった憶測も流れていました」

 借金まみれの主人公が、高額賞金のかかるデスゲームに参加するという設定は、これまで3度も映画化された日本の「賭博黙示録カイジ」を思わせる。

「パクリ疑惑が噴出したのはストーリー設定だけではありません。『イカゲーム』の終盤では、『カイジ』の鉄骨渡りに酷似したゲームが登場。多くの参加者が劇中で転落死を遂げていますが、その様子を富豪たちが楽しそうに鑑賞する流れも『カイジ』とソックリでしたね」(前出・映画ライター)

 想定外の事態も作品の大ヒットがなければ噴出しなかったかもしれない。パクリ疑惑はそれほど驚かないが、電話番号が掲載された被害者が不憫でならない。

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