ヴィッセル神戸“不振”の中で吉田孝行監督にビジネス界が熱視線のワケ

 J1ヴィッセル神戸がピンチに陥っている。ここ数年にわたって積極的に補強を行い、昨シーズンは元スペイン代表のイニエスタを獲得。年俸は32億5000万円とも言われている。他にも元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキ、元スペイン代表のダビド・ビジャ、バルセロナ出身のセルジ・サンペールと世界的なビッグネームを次々と獲得。多額の資金を投入し、今年のシーズン開幕前は優勝候補に挙げられた。

 だが、5月18日時点で3勝1分8敗の15位と下位に沈んでいる。4月には18年から指揮を執るフアン・マヌエル・リージョ監督が契約解除になり、吉田孝行監督が復帰するドタバタぶり。場合によってはJ2降格もありうる状態だ。

 チーム状態はいいとは言えないが、吉田監督にはビジネス界から熱視線が注がれている。

「吉田監督が置かれた状況は日本の会社にありがちな“板挟み状態”です。上には絶大な権力を持つ三木谷浩史会長がいて、下にはイニエスタやポドルスキら名のある選手ばかり。吉田監督の立場に中間管理職が仕事をする上でのヒントがあるのではないかと注目されているわけです」(ビジネス誌編集者)

 リージョ監督が辞めた時、チームは契約解除と発表したが、実際は三木谷会長の鶴の一声で解任されたとも言われている。三木谷会長から試合前にスタメンを指示したFAXが届けられ、それをリージョ監督が無視したと報じたメディアもあった。吉田監督は5月12日に行われた鹿島アントラーズとの試合の後、記者会見で三木谷会長がチームに関与しているという話について自ら切り出し、否定している。

「問題をうやむやにせず、自ら俎上に載せて完全否定したことは評価できますね。これによって上を守ったことも大きい。今後は少しやりやすくなるかもしれません。あとは選手の扱いをどうするか。結果次第では監督を勇退した後、企業の講演に引っ張りだこになるかもしれません」(同前)

 吉田孝行監督は現在42歳。中年サラリーマンの希望の星になることができるだろうか。

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