きっと本人は、一生隠したかったはずなのに……。
映画「バイオハザード」シリーズなどで人気のウクライナ出身の女優・ミラ・ジョボビッチが、アメリカ人女性の人生を台無しにしかねない法律が施行されることに抗議する意味を込めて、自らの悲しい過去を打ち明けた。
「アメリカは中西部から南部にかけて、宗教上の理由などで妊娠中絶に反対する地域が多い。去年からオハイオ州やケンタッキー州、ミシシッピ州、そして先日はジョージア州やアラバマ州、ミズーリ州で、胎児の心音を聞き取れるようになって以降(約8週間)の中絶について、原則的に禁止にする法案が可決されました。ミラさんが反応したのはジョージア州で法律施行が決定したタイミングですが、それらは全て、性的暴行など女性が望まない形の妊娠でも中絶してはいけないという、日本ではちょっと信じられないような法律。中絶が可能なのは、母親や胎児の命に危険が及ぶ状況のときだけ。それ以外では、手術した医師も最大で99年の禁固刑が科されるそうです。女性の体を傷つける可能性のある堕胎はできるだけ避けたいと思うのはどの女性も同じ。でも、性的虐待などで妊娠してしまった場合でも生まなければいけないとは……聞いているだけで震えが出ます」(女性誌ライター)
この中絶法案には多くのセレブたちが反対を表明。なかでもミラは、ほんの2年前、妊娠4ヵ月半のときに医療上の理由で妊娠中絶を行っていたことをカミングアウトした。「人生の中で最も恐ろしい経験」「今も悪夢を見る」と深い傷を負ったとコメントし、一時はうつ状態になったとも。それでも「中絶は悪夢。どんな女性も受けたいなど思わない。だけどもし必要なら、安全な中絶を受けられる権利が確保されるよう闘わなくてはならない」と主張。その声が配信されると、SNS上では「聞いてて涙が出た。女性のことを考える法律にしてほしい」「世界中で女性が性的虐待を受けている。それでも産めっていうのなら自死する人も出ると思う」「ミラの告白もショックだったけど、自分が望まない相手の子を妊娠したらと考えると……」「私ならミラのような告白はできないかも。本当の女性の味方ですね」などと様々な意見が述べられ、ミラの勇気ある提言に賛同する声が大半を占めた。
法案が可決されたアメリカ南部の各地でも反対デモなどが行われるなど、世論は真っ二つに分かれている。キリスト教保守派の支持を仰ぐトランプ大統領は人工中絶の禁止を支持する姿勢を見せており、来年のアメリカ大統領選の争点の一つにもなりそうだ。
(山田ここ)