サッカーJリーグのオフシーズンのこの時期、ヴィッセル神戸の大物獲得情報は風物詩になりつつある。しかも今回は現役日本代表選手。5月にフランスリーグのオリンピック・マルセイユを退団することが伝えられた長友佑都を日本人選手としては破格の年俸2億円で獲得に乗り出したことが報道されて、ファンの間で賛否が渦巻いているようだ。
「神戸はイニエスタ選手の残留が決まったことで、彼がいる間に何としてもJリーグ制覇を狙いたいということでしょう。天皇杯こそ獲得しましたが、リーグではまだ期待以上の成績とはいえませんからね。そこで長友選手というわけですが、ネット上は歓迎ムードというよりは、なぜ長友?という意見が目立ちました。『神戸らしいネームバリュー重視』『宣伝効果だけですね』と話題性を狙ったという声だけでなく、長友選手の年齢が9月で35歳になることで2億円も使う価値があるのか、という疑問の声もありました。実際はグッズ販売やチケット売上効果であっさり回収できる金額だとは思いますが、神戸の熱烈ファンであればあるほどその点は冷静なようですね」(スポーツライター)
一方で、熱烈神戸ファンから湧き上がったのが「他にもっと欲しい選手がいる」という声だとか。
「確かにここ数年の神戸の補強は効果がないわけではありません。イニエスタ選手だけでなく、19年から神戸に所属しているセンターバックのフェルマーレン選手はEURO2020のベルギー代表としても2試合続けてフル出場するほどの選手ですし、同じくディフェンスの酒井高徳選手も健闘しています。そこに長友選手まで加わればスゴいのでは…と思いがちですが、ほとんどのファンが気を揉んでいるのが、イニエスタとコンビを組める選手、イニエスタ選手の交代後にゲームメイクできる選手、そして得点を取れるFW選手なんです。現在は古橋亨梧選手に完全依存の状態ですが、それだけではJリーグを制することはできないというのが大半のファンの見立て。ですから、宣伝効果があるとはいえ長友選手より先に補強すべきポジションがあるのでは?という指摘が多かったんです」(前出・スポーツライター)
そんなこともあって、ファンの間で長友選手と比較して「彼こそ欲しい」「イニエスタとのコンビが見られたら感動しちゃう」と獲得要望が聞こえたのが、現在ギリシャリーグに所属している香川真司選手なんだとか。でも、それについても「香川こそピークを過ぎてる」「長友は現役代表」などと侃々ガクガク。何が最善かは分からないけれど、神戸の風物詩はサッカーファンの暇つぶしトークにはおおいに役に立っているということかも?
(飯野さつき)