2002年サッカー日韓W杯で日本人女性をトリコにした選手といえば、当時イングランド代表キャプテンを務めたデヴィッド・ベッカム。だが、もう1人絶大な人気を誇ったイケメン選手がいたのを覚えているだろうか?
その人物とは、トルコ代表FWのイルハン・マンスズ。ベスト16で日本代表を下し、チームは勢いに乗ってベスト4に進出。準決勝でブラジルに敗れたが韓国との3位決定戦では2ゴールを挙げ、母国を3位に導いている。
その甘いマスクで“イルハン王子”の愛称で親しまれ、むしろ注目を集めたのはW杯が終わってから。特に「週刊女性」は10週にわたって特集記事を展開し、他にもCM出演や写真集も発売。人気はヴィッセル神戸に移籍した04年半ばまで続いたが、わずか半年で退団したこともあり、ブームも終了してしまった。
その後、日本のメディアで彼の名前を聞くことはなかったが、普通のサッカー選手ではありえない紆余曲折の人生を送っていたことが判明した。
イルハンは現役最後となる05-06シーズンから俳優としても活動しており、引退後は立て続けにドラマに出演。人気俳優としての地位を確立するも、主役を演じた08年放送の「Dalgakiran」を最後に役者業も引退している。
そんな彼が次に選んだのは、なんとフィギュアスケート。テレビ番組の企画で出場した大会で優勝してしまい、これをきっかけに本格的に選手に転向してしまったのだ。実際、13年には男子シングルで織田信成が優勝した国際大会「ネーベルホルン杯」のペア部門に出場している。
「残念ながら目指していた冬季五輪出場は果たせませんでしたが別の国際大会では5位に入賞を果たしたこともあり、トルコではトップスケート選手として国民から認知されていました」(トルコ在住ライター)
だが、引退こそしていないというものの14年を最後に大会には出場していない。そして19年には、元サッカー日本代表の香川真司がプレーしたトルコ1部の強豪ベシクタシュのコーチに就任。健康上の理由でわずか1カ月後に辞任した後は、投資家に転身している。
「株で大きな利益を上げていると評判で、現在は再婚した若い妻と生まれたばかりの子供とセミリタイア生活を送っています」(同)
サッカー選手だけでなく、俳優やフィギュアスケート選手、投資家としても成功。むしろ、引退後の人生ほうが充実しているようだ。
※画像は本人インスタグラムより