インスタグラムの16歳未満“非公開”に「意味がない」の声噴出の理由

 米Facebook社が、インスタグラムで今後作成される16歳未満(一部地域では18歳未満)のすべてのアカウントに対して「非公開」をデフォルトにすると発表したのは先月末。若年層のユーザーが安全に利用できるようにするための取り組みだが、ネット上ではさらなる規制を求める声が相次いでいる。

「インスタグラムは以前にも13歳未満の利用を禁止したり、18歳未満のユーザーと成人ユーザーとのDMに制限を加えるなど対策をおこなってきました。今回の16歳未満非公開設定は日本やアメリカなど5カ国で開始され、今後はさらに拡大される予定だといいます。なお、16歳未満のアカウントは今後デフォルトで非公開となりますが、任意で公開に切り替えることも可能となっています」(ITジャーナリスト)

 これまでインスタグラムでは、若年層のユーザーがアカウントを作成する際には公開・非公開を選択できるようにしていたが、非公開を選択するユーザーが多かったこともあり、非公開をデフォルトの設定にしたという。しかし、ネット上では《普通に18歳未満は禁止でいいのでは?》《すぐに公開に切り替えられるわけだよね?だったら、あんまり変わってないと思うが…》《前向きな取り組みだと思うが、これじゃ16歳未満を狙った犯罪は減らなそう》などの意見も少なくない。

「警視庁の集計によれば、2019年にSNSサイトを通じて犯罪被害に遭った18歳未満がはじめて2000人を超えたことが明らかになるなど、若年層がSNSによって犯罪に巻き込まれるケースが急増しています。これは日本に限ったことではなく、同じことが世界中で起きているのです。そのため、インスタグラムは13歳未満しか利用できない子供向けのサービスの開発を検討していますが、これにも専門家からは『むしろ犯罪の温床になりかねない』と批判の声が相次いでいます」(前出・ITジャーナリスト)

 若年層をSNS犯罪から守るためには、まだまだやるべきことがあるのかもしれない。

(小林洋三)

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