モスバーガー、11年ぶりに赤字転落した食中毒騒動以外の理由とは?

 2019年3月期連結決算の発表により、純損益が9億700万円の赤字となり、通期としては11年ぶりの赤字に転落したことが明らかになった、「モスバーガー」を展開するモスフードサービス。

「『モスバーガー』では2018年8月に複数の店舗で食中毒が発生し、これによる客離れで赤字に転落したと分析する見方が多いですね。ただ、食中毒が起こる以前の14年から、通期ベースで客数が前の期を下回り続けているのです。14年にモスで何が起こったかというと、消費増税のタイミングでの商品の値上げ。さらに翌15年の5月にも値上げを行っています」(経済評論家)

 14年といえば、期限切れ鶏肉の偽装や異物混入事件などでマクドナルドが過去最高の赤字を記録していた時期だ。せっかくのライバル凋落のときに、値上げによって客数を減らしていたことになる。

「『モスバーガー』の売り上げが減少した原因には、食中毒と値上げの他に、もう一つあります。それはフランチャイズ(FC)加盟店のオーナーの高齢化です。モスはマクドナルドと違い、既存店の約8割がFC加盟店となっており、その大半を個人オーナーが務めている。その個人オーナーに高齢化の波が押し寄せており、店舗の老朽化も重なってなかなか新規顧客の獲得が難しい状況にあるのです」(飲食店コンサルタント)

 となると、業績の立て直しは一筋縄ではいかないようだ。

(小林洋三)

ビジネス