将棋連盟、対局中の「マスク義務撤廃」で注目される「反則負け棋士」の対応

 日本将棋連盟は2月28日、新型コロナウイルス感染症対策の臨時対局規定を3月13日付で廃止することを発表した。対局中のマスク着用は「任意」となる。

 政府が3月13日からマスク着用は個人の判断に委ねるとしたことから、将棋連盟はそれに準ずる方針を決定。2022年2月1日から臨時対局規定として、マスク着用をルールとしていたが、3月13日から新型コロナが5類となる5月8日まで、将棋会館内での会話が行われない対局中、マスクは任意。対局終了後、会話を有する感想戦では、マスク着用は「推奨」となる。

 対局中のマスク着用に関しては、これまで物議を醸してきた。佐藤天彦九段は22年10月のA級順位決定戦で、約1時間に渡ってマスクを着けていなかったことを理由に反則負け。佐藤九段は同年11月、処分撤回を求めて不服申立書を将棋連盟に提出したが、認められなかった。

 日浦市郎八段は公式戦の対局中、鼻を出してマスクを着用して3局連続の反則負け。将棋連盟は2月13日、同日から5月12日まで、3カ月の出場停止処分にすると発表。メディアの取材に日浦八段は「規定にはマスクの着用方法についての記述はなく、感染予防効果の科学的根拠もない」と話した。

 将棋連盟のマスク緩和について、ネット上では「政府が緩和しなければ、ずっとそのままだった?」「遅すぎる」「無言の対局でマスク着用は意味不明」「日浦八段の処分を解きなさい」などと手厳しいコメントが並んだ。

「日浦八段の処分撤回を求める声がありましたが、マスク着用をルールとしていた時期での違反ですから、出場停止は免除されないでしょう。それよりも興味深いのは感想戦で『推奨』という曖昧な判断を下したことです。将棋連盟に忖度して着用するのか、それともルールではないのだからと外すのか、各棋士の判断に注目が集まります」(週刊誌記者)

 佐藤九段、日浦八段は感想戦でも外すと思われるが、それ以外の棋士はどう出るか。

(石田英明)

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