人気ドラマ「孤独のグルメ」はフジテレビ放映の予定だった!?

 9日からスタートする深夜ドラマ『孤独のグルメ Season9』(テレビ東京系)。松重豊演じる輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が、出先で立ち寄った飲食店での食事を様子を紹介する大人気ドラマの最新シリーズだ。

 この作品は「週刊SPA!」などで連載された原作・久住昌之、作画・谷口ジローの同名コミックの実写版。ただし、当初は他のテレビ局でドラマ化の話が進んでいたとか。

「フジテレビです。オファーをした段階ですでに主人公・五郎役のキャスティングは決まっていたんですが、原作者の久住氏が『イメージと違う』と受け入れなかったんです」

 そう話すのは、久住氏を取材したことのあるライター。一部のファンの間では知られたエピソードだが、フジテレビ版の主役候補にあがったのは長嶋一茂だったという。

 最近こそタレントやコメンテーターにシフトしているが、03年公開の主演映画『ミスター・ルーキー』では日本アカデミー賞の新人賞にノミネートされるなど役者としての実績もある。だが、確かに原作のイメージに忠実なのは松重豊のほうかもしれない。結果的にハマリ役となり、テレビ東京を代表するドラマのひとつになったことでも証明している。

「それに久住氏はプロのミュージシャンとしても活動しており、劇中の音楽も担当。ドラマの最後では毎回、久住氏が番組に登場したお店を紹介する『ふらっとQusumi』も好評です。でも、ドラマ化されていたのがフジテレビだったらどちらもなかったはず」(同)

 小説やコミックのドラマ化はテレビ業界の主流となっているが、原作者が拒否して映像化されなかった作品も公表されていないだけで実は非常に多い。例えば、原作とはストーリーが違ったり、実写版オリジナルの新たなキャラクターが登場する作品も珍しくないが、このように手を加えすぎることを嫌がる作者も少なくないそうだ。

「結果論かもしれませんが、後からオファーしたテレビ東京のほうが久住氏にとって条件が良かった。フジテレビ版ならここまでシリーズ化することはなかったでしょうね」(同)

 ただ、どうせなら長嶋一茂バージョンも見てみたかった気もするが……。

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