交流戦最後の試合を白星で飾れず、3季ぶりの交流戦負け越しを喫した原巨人。最終カードである千葉ロッテ戦は先に2勝を挙げ、勝ち越しは決まっていたのだが、勝って交流戦を終えるのと負けるのとでは大違いだ。
まして原辰徳監督が6月13日、最終戦のマウンドに送ったのは、菅野智之投手である。必勝を期した試合を落としたのも痛いが、次回登板の内容次第では“エース陥落”なんてことにもなりかねないという。
「試合後、原監督は『4点が限界だった』と、3回途中で菅野を降板させた理由を伝えていました。翌日から日程調整のため、休みに入るので中継ぎ投手陣に無理をさせられると判断したのでしょう」(ベテラン記者)
同日、首位阪神が勝利したため、ゲーム差は「7」にまで広がった。この試合を終えた時点で予想される菅野の次回登板は、同20日の阪神戦。“首位攻防戦”と呼ぶにはまだ早いかもしれないが、直接対決での敗戦はそのままゲーム差拡大につながる。エースのメンツに掛けても負けられない一戦となる。
「戸郷翔征投手が中4日、5日で踏ん張っています。山口俊のチーム合流もまもなく。菅野が勝てないようなら、3連戦の初戦を任せられなくなります」(前出・同)
右肘の違和感を訴え、しばらくの間は二軍調整が続いていた。大事には至らなかったのかもしれないが、「制球力バツグンの菅野が四球を連発しています。この日も初回に2者連続四球と『らしくない投球』がありました」と、取材陣の多くが首を傾げていた。
「ZOZOマリン独特の風のため、変化球を制御できなかったようです」(球界関係者)
痛みを隠しての投球が続いているのかもしれない。
「昨年に続き、菅野は投球フォームをマイナーチェンジしています。昨季は上半身を先に動かすフォームに改造して功を奏しましたが、今年の改造は失敗だったのでは…。プレート板を踏む位置を一塁ベース寄りにし、踏み出す足の位置も変えています」(前出・同)
プレート板を一塁側に変えることに賛同する声も多かった。しかし、それが制球力を狂わせたとの指摘も出始めた。
「今季からカーブを多投しようと、キャンプ中から練習してきました。カーブをモノにできていないため、スライダーなど他の変化球のコントロールにも影響しているのではないか?」(前出・ベテラン記者)
カーブは、桑田真澄投手チーフコーチ補佐の直伝だ。緩急のピッチングの幅を広げるためであり、その指導は間違っていない。しかし、そのカーブを狙い打ちされる場面もあり、公式戦ではほとんど投げていない。カーブ習得の練習が右肘の故障にも影響したのだろうか。戸郷と山口をメインとしたローテーションの再編説も気になるが、菅野はカーブの投球についてもう一度考え直したほうが良さそうだ。
(スポーツライター・飯山満)