もっとも、鼻もちならないのは組織委員会やスポンサー企業のみならず。
「大会の『立候補ファイル』によると、海外から訪れるIOC関係者にはThe Okura Tokyo、ANAインターコンチネンタルホテル東京など、いずれも5つ星ホテルの客室が提供されます。しかも館内すべて貸切になるようです。IOC側から支払われる宿泊費の上限は1泊400ドルに定められていますが、これらのホテルには1泊300万円するスイートルームがあり、IOC役員が宿泊すれば1泊290万円以上の差額を組織委員会が負担することになるのです」(アマ担当デスク)
これが海外メディアからも「ぼったくり男爵」とバッハ会長が批判されるゆえんなのだろう。
「とはいえ、こうした契約は最初から決まっていたことで、日本はこの条件を飲んで東京開催を勝ち得たわけです。貴族体質のIOCにすれば、昔から行ってきた当たり前のことなので、何を今さら騒いでいるのかという感じではないでしょうか」(本間氏)
主にIOCの委員で構成される「オリンピック・パラリンピックファミリー」は全世界に約5000人いると言われるが、
「来日するのはVIP中のVIPということになります。位の高いバッハ会長などは当然、14日間の隔離などは免除されます。チャーター機で来日し、その日から特別扱いで歩き回ることになる。一方、政府と組織委員会はすでに海外からの観客を入れないことを決めた。これにより一般の外国人は来日しなくなったわけですから、国際貢献のためにひと肌脱いだボランティアは働く意味がなくなります。つまり、無償で集められたボランティアがIOC貴族のおもてなしをするために汗水流して働くことになる」(本間氏)
6月3日、新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、
「普通は(五輪は)ない。このパンデミックで」
と、語気を強めて訴えた。もはや進むも地獄、戻るも地獄の東京五輪だが‥‥。
最後に斉木議員が締めくくる。
「政府は観客を減らしてでも開催し、販売した900億円のチケットの返還だけでも免れようとしている。しかし、もう1年延期すればすべて解決できるはずです。来年には国内のワクチン接種を終え、フルスペックで開催することができる。もちろん、海外からも観光客を招けるので2兆円のインバウンドが期待できるのです」
7月23日の開会式まで残り50日を切った。国民や都民は、ドス黒いバラまき五輪の大きなツケを払わされることになりそうだ。
*「週刊アサヒ芸能」6月17日号より