青山商事も「リーバイス」撤退…コロナが拍車をかけた?ジーンズの風前の灯火

「若者のジーンズ離れ」と言われるようになって久しいが、今年3月いっぱいで紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事がリーバイ・ストラウス ジャパンとのフランチャイズ契約を終了するなど、コロナ禍にジーンズ離れはさらに加速している。

「青山商事は2010年にリーバイ・ストラウス ジャパンとのフランチャイズ契約を締結し、『リーバイスストア』を展開していました。ただ、実は両社が契約を結んだ頃にはすでに国内におけるジーンズの売れ行きは低迷を見せており、ベストジーニスト賞を主催する『日本ジーンズ協議会』によれば、ブルージーンズとカラージーンズの国内の販売数はピークの1996年には7777万1000着だったものが、2012年には4650万8000着と40%以上も減少。現在この調査は実施されていませんが、さらに減少していることは確実と見られています」(ファッションライター)

 若者がジーンズから離れた原因はファストファッションが流行したところが大きい。もともとジーンズにはジェームス・ディーンやマーロン・ブランドが映画作品で着用したことから”若者のシンボル”として愛され、1本1万円以上するのが当たり前だった。しかし、「ユニクロ」や「しまむら」、さらには「イオン」や「西友」などスーパーも参入して1本2000円~3000円の格安ジーンズを販売するようになると、若者にとってジーンズは特別なものではなくなり、高価格帯のものはまったく売れなくなってしまったのだ。

「そして、新型コロナウイルスの感染拡大が起こると、家で快適に過ごせるファッションやキャンプなどで使える高機能な服が売れるようになり、余計に売れなくなってしまったのです。リーバイ・ストラウス ジャパンは20年1月7日付けで株式上場を廃止していますし、今後はさらにジーンズ市場は縮小していくものと見られています」(前出・ファッションライター)

 ファッションは流行が繰り返されるというが、ジーンズが再びもてはやされる時代は来るのか。

(小林洋三)

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