杉咲花よりバトンタッチし、5月よりNHKの朝ドラ「おかえりモネ」のヒロインを務める清原果耶。まだ19歳にもかかわらず、すでに朝ドラの出演は「あさが来た」「なつぞら」を含め、3本目となる新世代の演技派女優だ。12歳の時、オーディションで約3万人の中からグランプリに選ばれ、以来、歩んできたその華麗なキャリアと、意外な私生活に迫る!
「私の地元、気仙沼の海にも、冬になっと、けあらしっていう霧が出るんです。(略)私‥‥そのけあらしを見るのが小さい時からとても好きで。海から登る朝日も‥‥とても好きで。でもあの日‥‥。私、何もできなかった‥‥」
北上川にかかる幻想的な霧もやを見ながら、3年前に故郷・気仙沼で遭遇した東日本大震災を思い出し、静かに涙を流す。その表情に、視聴者は釘付けになる─。
いわゆる「明るく元気」な朝ドラヒロイン像を凌駕する演技で注目されるのが、5月17日より放送中のNHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」の主演、清原果耶(かや・19)だ。
「宮城県の豊かな自然あふれる海と山の町を舞台に、気象予報士を目指す女性の物語です。初回平均視聴率(世帯)は、関東地区で19.2%、関西地区では18.7%で、前作『おちょやん』の関東18.8%、関西17.2%を超えましたね。作品の舞台となった仙台地区は22.3%と20%を超えていますから、好発進とみて間違いないでしょう」(スポーツ紙記者)
放送後、SNSに書き込まれる視聴者の声も「明るいだけではないどこか憂いがある表情、雰囲気が最高」など、清原に対する絶賛が目立つ。それもそのはず、これまでも清原は、その演技力で著名人さえも唸らせてきた逸材なのだ。
「出演作の監督や共演者が、軒並み褒めていますね。映画『デイアンドナイト』のオーディションで15歳の彼女をヒロインに抜擢した山田孝之(37)が『役柄のキャラクターを瞬時にくみ取ることができる。専属契約を結びたいくらい』と言えば、桃井かおり(70)も『冗談抜きで、私がついていく立場だった』と感嘆。19年に出演したNHK朝ドラ『なつぞら』では、当時17歳にして30代の母親役も演じきるなど、その演技力は同業者も絶賛するほどです」(芸能記者)
映画監督・野本史生氏は新世代のヒロインの演技の魅力をこう語る。
「硬い表情からフッと緩んで笑顔になる時に引き込まれる。美形だが、切れ長の瞳で決して派手な顔立ちでないところにも可能性を感じます」
さらにそのキャリアを振り返ると、とんでもない超新星であることがうかがえる。まず芸能界入りするきっかけは12歳の時。現所属事務所主催の「アミューズオーディションフェス2014」に応募し、3万2144人の中からグランプリ受賞を勝ち取った。本格的な芸能活動スタートは15年で、なんといきなり大手企業2社のCMに抜擢されたのだ。
美少女評論家の高倉文紀氏が語る。
「大手事務所に所属しても、最初のCM仕事が決まるまでは、実はすごく時間がかかるもの。それが所属した翌年には三井不動産グループとアステラス製薬が、2社同時に決まったんです。こんなことは異例ですよ。そのCMで彼女を知った僕は、なんて光っているんだろうと圧倒されました。実際に会うと、新人にありがちな『話すのが苦手』など、まごつくことはなく、実に堂々としていて、自分の言葉でインタビューに答えてくれました。天性から、表現することが上手いんでしょうね」