選手7人を含む、球団関係者13人が新型コロナに感染。GW期間中の2~5日の計4試合が中止となった北海道日本ハム。これまでにも千葉ロッテや阪神、巨人など複数のチームで集団感染が発生しており、その数は選手に限定しても5月上旬現在で9球団44人。1球団あたりの出場選手登録が31人ということを考えれば、その1.5倍にも当たるのだから決して少ない数ではない。
NPB(日本野球機構)によると21年シーズンの全球団の合計選手数は、支配下選手と育成選手を合わせて950人。感染歴のある選手は21.6人に1人で、日本全体の感染率(201.6人に1人)の実に9.3倍だ。
「野球は団体競技で選手同士に加えてコーチ、スタッフなど接する人の数はどうしても多くなります。でも、感染対策がずさんなわけではなく、どの球団もむしろ神経質なほど。それでもクラスターが発生してしまう感染力の強さにコロナの恐ろしさを改めて感じます」
そう語るのは、スポーツ紙のプロ野球担当記者。ちなみに昨シーズン中に感染した選手は23人。日本全体の昨年末時点の累計感染者が23.4万人で、現在はすでに60万人を突破。そうした状況を考えれば、球界は一定の封じ込めに成功しているとも言える。
昨年、カナダの大手データ会社ヴィジュアル・キャピタリストが発表した「新型コロナの感染リスクが高い職業ベスト30」によると、職種は細分化されているものの医療従事者がほぼ独占。それに割って入る形で客室乗務員やスキンケア専門家が入っているが、数字を見る限りは野球選手も感染リスクが高い職業と言っても間違いはなさそうだ。
ただし、感染症専門医は「不運にも感染してしまった選手やチーム関係者もいますが、悪者のように責めるのはやめてほしい」と話す。
人との接触機会も多いうえに試合で全国を飛び回り、感染の恐怖と戦いながら連日熱戦を見せてくれるプロ野球選手たち。このコロナ禍だからこそ、野球を通じて多くの人に元気を与えてほしいものだ。