フリマ業者も放置「プロ野球チケット」が転売ヤーの餌食にされるお粗末な理由

 プロ野球が盛り上がりを見せる中、公式戦チケットを不正に転売していたとして、横浜市の会社経営の男が不正転売禁止法違反の疑いで書類送検された。

 男は2023年7〜9月のシーズン中、横浜スタジアムの「DeNA対巨人」2試合の計4枚のチケット(販売価格計2万3200円)を2倍以上の計5万1600円で転売したとされ、過去3年で3000万円以上を売り上げていたとみられている。

 男はDeNAのファンクラブ会員だったというが、転売が発覚したことで強制退会になるのは間違いない。しかし、名前を変えればまたファンクラブに入会できることから、ファンからは厳格な転売対策を求める声が上がっている。

 もっとも、チケットの高額転売行為は今回のケースだけではない。フリマアプリには定価の3~4倍もの価格で大量のチケットが出品されており、サイト運営側も放置しっぱなしなのだ。

 スポーツライターが語る。

「フリマアプリでは、転売目的とみなされるチケットの出品は禁止されていますが、いかにも怪しいチケットが平気で販売されています。それでも売買が成立すれば、アプリの運営側に手数料が入りますからね。審査を厳格にするだけでも多くの転売ヤーを排除することができるのですが、なかなか思うようにはいきません」

 パ・リーグでは日本ハム、西武、ロッテ、オリックスの4球団が公式・公認のチケットリセールを行っており、仮に不要になったチケットがある場合、仲介手数料を払えば欲しい人に適正価格で販売される。これだけでも不正転売をある程度防ぐことはできるだろう。

 一方、セ・リーグの場合は、ヤクルトのようにダイナミックプライシングを採用している球団があるため、場合によっては転売ヤーからチケットを購入した方が安いケースが少なくない。転売ヤーにとってはまさにおいしい状況といえるだろう。

 近年は人気歌手のライブチケットなどは厳格な本人確認が求められ、転売にはかなり厳しくなっている。今後は野球のチケットもなんらかの対策が必要になってくるだろう。

(ケン高田)

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