コロナ禍で需要拡大「変わり種自販機」が売っている驚きのモノとは?

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「非対面」「非接触」という特徴を生かした「変わり種」自動販売機が全国各地で登場し、話題になっている。

 現在、日本で稼働している自販機の数は約410万台と言われる。かつて自販機と言えば、大半が飲料というイメージがあったが、近年は食品から生活必需品、玩具に至るまでそのラインアップの充実ぶりは目をみはるばかり。経済誌のライターが語る。

「かねてから自販機による購買スタイルが確立しているヨーロッパでは、それこそ食品からアクセサリー、さらには自動車や雪だるまと、まさに『そんなものまで?』というアイテムを販売している国もあり、今年に入ってからは、コロナウィルスの診断キットと食品が抱き合わせで購入できる販売機まで登場しているのだとか。日本でも昨年以降、テイクアウトや宅配が急増、さらに予約の手間がなく、人と会わずに購入できるとして自動販売機の需要が拡大していて、時短営業を余儀なくされ飲食店や、旅行の自粛などで客足が遠のいた土産物屋などが自販機に着目、新たな活路を見いだすケースが増えているようです」

 4月17日には、朝日新聞デジタルが『福岡市博多区の美野島商店街に、モツの自動販売機が登場 商品はミノと小腸。1個90〜110グラムでタレ無しとタレ味がある。価格は400円前後』というニュースを、いわゆる「ベタ記事」扱いで紹介。するとSNS上には、《すご〜い!!全国展開してほしいです!》《近所にあったら呑みのアテに毎日買ってしまいそう》《めっちゃ、いいなぁ。関東で生のミックスホルモン買えるところのおすすめあれば、教えて欲しい》と大きな反響の声が続々。以前からある変わり種販売機も人気復活の兆しがあるようで、

「変わり種として有名なのが広島西区にある『ピザの自動販売機』。これは、自販機に冷凍したピザが入っていてタッチパネルで注文すると、最高300度で一気に焼き上げ、約5分で焼き立てピザが完成。ピザは『マルゲリータ』と『4種チーズ』の2種類で、価格はそれぞれ980円、1280円(いずれも税込み)ですが、なかなかの人気だそうです」(情報誌記者)

 さらに、食品部門では奈良県の大神神社参道にある、流しそうめん店の店先に設けられた『焼き芋自販機』も人気だという。

「流しそうめん店の店主が、冬場のそうめんの売上減を補うため考案したそうなのですが、コロナ禍でも、大神神社の帰りには多くの参拝客が購入していくという話です」(同記者)

 もちろん、東京にも変わり種自販機は多く、ユニークな自動販売機の宝庫として知られるのが、東京の空の玄関口「東京国際空港」だ。

「同空港の第1旅客ターミナルビルで人気なのが、明太子で知られる福岡の『やまや』が限定で販売している『やまやのダシ汁』。中身は澄んだ琥珀色で、だしの香りが高く、さっぱりしたなかに甘味があり何度飲んでも飽きないと、リピーターが多いのだとか。第2旅客ターミナルビルには『富山のご当地自販機』や『インスタントラーメンの自販機』『日本初ラテアートが出来る自販機』があり、国際線ターミナルにも『絵馬』『キティちゃん』『ひよこちゃん』の自販機を設置。まさに自販機の宝庫。コロナ禍で空港を訪れる人口そのものは減っていますが、リピート率は高いことから、人気が定着していることは間違いないでしょうね」

 コロナという逆境が生んだ、自販機ブーム。次はどんな変わり種が登場するか楽しみだ。

(灯倫太郎)

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