コロナ禍で“忘年会スルー”が定着!?「Go To」見直しで居酒屋が続々廃業危機

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年は約9割の企業が忘年会を開催しない予定であることが明らかになった。さらにネット上では《コロナがあろうとなかろうと、もう忘年会という行事はなくそう》などとの声も上がっている。

「東京商工リサーチが11月9日から16日にかけておよそ1万社を対象に実施したアンケート調査の結果によれば、“忘年会を開催しない予定”と回答したのは8840社にのぼり、全体の87.8%となりました。また、コロナの第3波が到来したことで、東京では11月28日から12月17日にかけて酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対して営業時間の短縮を要請したこともあり、すでに入っていた忘年会の予約もキャンセルが相次ぐ状況となっているのです」(社会部記者)

 忘年会が開催できない状況に悲しみが広がっているかと思いきや、ネット上ではこの状況を歓迎する声も多く見られる。というのも、ここ数年は、若者の間で”忘年会スルー”という言葉が浸透しているように、お金を払ってまで上司や同僚と飲みたくない、仕事以外で会社に時間を拘束されたくないと考える人も増えているため、《個人的には忘年会が1年でいちばんキツいイベント。世の中の大半の人が忘年会の中止を喜んでいるのでは?》《これを機会に、本当に忘年会が必要なのか考え直すべき》といった声が上がっているのだ。

「こうした動きにより、居酒屋を含めた飲食業は、これにまでにない厳しい状況に立たされることは間違いありません。帝国データバンクが11月20日に発表した調査結果によれば、今年1月から10月までの居酒屋の倒産は164件発生し、すでに調査開始以来、過去最高のペースで推移しています。緊急事態宣言以降、Go Toイートなどの経済政策もあり、徐々に居酒屋へ客足は戻りつつありました。そのため、忘年会シーズンに期待していたお店も多いでしょうが、コロナ第3波の到来で忘年会の自粛、時短営業の要請、さらには県外や都外から客を呼び込むGo To トラベルの見直しも検討されていますから、踏ん張りきれずに廃業を決意する居酒屋が今後さらに急増するのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 忘年会の中止を喜ぶ声がある一方で、居酒屋は窮地に立たされている。

(小林洋三)

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