コロナ禍でオカルトビジネス大盛況!ドライブスルー幽霊屋敷に心霊タクシーも

 夏と言えば納涼。納涼の定番と言えばお化け、というわけで、いよいよお化けの季節がやってきた。とはいえ、今年はコロナの影響もあり、屋内のお化け屋敷は中止を余儀なくされたり、お化けがソーシャルディスタンスで接近できずに迫力に欠けるなど、多くの施設がコロナ対策に苦慮しているという。

 ところが、そんな中、申し込み予約が殺到しているアミューズメントがある。そのひとつが、横浜・港北を中心にタクシー・ハイヤーサービスを展開している「三和交通」が毎年夏に開催する恒例の「心霊スポット巡礼ツアー」だ。

「同ツアーは、首吊り鳥居、古戦場跡、血を流す松など、関東エリアの心霊スポットをタクシーで案内するというもので、2015年にスタートして以来、毎年、2000件近くの応募があり、最大倍率41倍という超人気ツアーなんです」(情報誌編集者)

 今年は昨年の「横浜(新横浜)」、「多魔(八王子)」、「凍京(東京)」、「不死身野(埼玉)」という4か所に加え、月刊漫画雑誌「ジャンプSQ.」(集英社)連載中のホラー漫画「ダークギャザリング」とコラボしたコースも設定(※現在チケットはすべて完売)。運行日、運行時間は各コースによって異なるが、

「このツアー最大の”ウリ”は、以前からタクシーの運転手さんたちの間で噂されてきた、ガチの心霊スポットを巡れる、という点にありますが、加えて、案内役を務めるのが『霊感が強い』と言われる運転手さんのため、何らかの心霊現象に遭遇できる確率も高いのだとか。出発前には、心霊現象で異常をきたしても主催者に責任を問わない旨の誓約書にサインさせられますが、お客さんの中には実際、携帯機器が故障するといったトラブルもあり、ツアー後には運転手さんと車はお祓いを受けているといいますからね。そんな話が口コミで広がり、予約が取れないツアーとして評判になったようです」(前出・情報誌編集者)

 さらに、停車した車内から流れるリアルな怪談話を聴きながら、車外で巻き起こる怪奇現象が楽しめるというホラーエンタメとして人気なのが「ドライブインお化け屋敷」だ。このイベントをプロデュースするのは、バンダイナムコアミューズメントの「ナンジャ怨霊フェス」シリーズなどを手掛けてきたホラー専門の制作会社「株式会社怖がらせ隊」。

「彼らは『どんな空間にもお化け屋敷、ホラーイベントを創る』をモットーに、これまで遊園地やテーマパークのほか、ホテル、広場、はたまた空き部屋や巨大倉庫と、あらゆる空間でホラーコンテンツを生み出してきたのだとか。で、今回はその空間がドライブスルー施設になったわけですが、車中で怪談を聞いていると、突然フロントガラスに血まみれの女性が張り付いてきて、亡者たちが群がるわけですからね……。まさに怪談を車中に居ながら、リアルに体験できる、この時期にふさわしい納涼エンターテイメント。車の窓を閉め切ることで、お化けとのソーシャルディスタンスも保てるので、安心して怖がることができるのではないでしょうか」(前出・情報誌編集者)

 こちらの所要時間は約20分。自家用車の場合は8000円、レンタルは9000円(いずれも税込)。

 コロナ感染拡大を避けるための、「新しい生活様式」が求められる中、オカルトビジネスも新しい様式へと、変貌を遂げている。

(灯倫太郎)

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