「サイゼリヤ」新規店に見る、苦境ファミレス業界の”新スタンダード”とは?

 イタリアンファミレスチェーンの「サイゼリヤ」は4月8日、東京都練馬区に通常の店舗のわずか4割ほどの床面積の“小型店”をオープンさせた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きな打撃を受けるファミレス業界だが、新たな挑戦に大きな注目が集まっている。

「同チェーンの小型1号店となる『地下鉄赤塚店』は、客席44席でのうち1人用の席を8席用意し、1人客の取り込みを狙った店舗となっており、3人のスタッフで運営できるように厨房も1人で回せる設計となっているそうです。なお、料理の持ち帰りには対応していませんが、店内にはショーケースのような大型の冷凍庫が用意されており、人気の辛味チキンなど冷凍食品を購入することができるとのこと」(フードライター)

 今後「サイゼリヤ」はコロナの影響で閉店が相次ぐコンビニ跡地を狙って小型店の出店を加速させるというが、これにネット上では《これだよ。飲食店はいま一人客を大事にした営業をすべき》《素晴らしいと思います。飲食店に求めるのは時短営業ではなく、人数制限》《4人席や6人席を1人で陣取るのは気が引けるから、1人専用の席を用意してくれると本当に利用しやすい》《コロナ禍であっても工夫を凝らし、さまざまな取り組みによってチャレンジする会社は乗り切っていく》と絶賛する声が数多く寄せられていた。

「世界中でコロナワクチンの接種がはじまっていますが、通常の日常が戻るまで7年掛かるとの見通しもあり、まだしばらくはコロナの脅威は続くと考えられています。今後も大人数での食事はなかなか難しいところもあり、ファミレスが1人客を狙った小型店をオープンさせるのは非常に賢い選択だと思います。『地下鉄赤塚店』は持ち帰りには対応していないとのことですが、コンビニの空き店舗を改装するのであれば、今後は持ち帰り専用やデリバリー専用の店舗をオープンさせることも可能なので、採算が合わない大型店は閉店され続々小型店にシフトしていくかもしれませんね」(経営コンサルタント)

 ウィズコロナでは、ファミレスの小型化がスタンダードになるのかもしれない。

(小林洋三)

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