暑中見舞「かもめ~る」発行終了に「局員しか使ってないのでは?」辛辣な声

 3月29日、日本郵便はくじ付き暑中見舞い用はがき「かもめ~る」を今夏から発行せずに廃止することを明らかにした。電子メールの普及や昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によって企業の利用も減少したためと見られているが、ネット上では《むしろここまでよくもった》といった声が圧倒的のようだ。

「『かもめ~る』は、1950年に発行された『暑中見舞い用郵便はがき』をもとに夏季のくじ付きはがきとして86年に登場しました。93年には最多となる3億4000万枚を発行していましたが、昨年は約3分の1となる1億4000万枚にまで減少していたのです。今後は、くじのない暑中見舞いに適したヒマワリなどをあしらったデザインのはがきが販売されるといいます」(ネットライター)

 日本の伝統的な風習の一つである暑中見舞いが廃れていくことには寂しさを感じなくもないが、ネット上では《やっと「かもめ~る」廃止か。最近は郵便局で働いていた親戚からしか届かなかったし、局員が買わされてただけでは》《去年でも1億4000万枚発行していたことに驚き。このうち郵便局の関係者が1億枚くらい買ってそう》《局員が自腹で買わなくて済むと思うと、心からおめでとうと言いたい》《金券ショップで安価で大量に流通してて懸賞の応募に重宝したという印象しかない。そういう意味では廃止になるのは残念だ》といった冷めた指摘が多く見られる。

「日本郵便では、お年玉付き年賀はがきを巡る職員の販売ノルマが問題視されましたからね。もともと暑中見舞いとは、最も暑い時期に夏バテしないような食べ物を持参して見舞う習慣から始まっているので、本来の意味での暑中見舞いはすでに廃れているといえます。ちなみに、15年前の2006年にネットリサーチの『DIMSDRIVE』が約6000人に暑中見舞いに関するアンケートを実施したところ、80.1%が暑中見舞いを出す予定はないと回答しており、やはり昨年の1億4000万枚はよくぞそこまで利用者がいたなという印象。発行数は最盛期の3分の1ですが、実際の利用者数はさらに少なくなっていたのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

 暑中見舞いと同様に年賀はがきが無くなるのも、遠い話ではないのかもしれない。

(小林洋三)

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