菅総理VS小池都知事、勝負の剣が峰として見据えるのが、迫りくる衆院選だ。
任期満了の10月に向けて、永田町では「年内解散」や「3月」の解散がささやかれてきた。それでも解散カードを切れなかったのは、菅総理が多人数でのステーキ会食、外出自粛要請中の自民党議員の銀座クラブ飲み歩き、「息子」の接待疑惑など、逆風が吹き荒れたからに他ならない。
「昨年末に自民党が独自に次期衆院選の情勢調査をすると、『30から50議席を減らす』という結果が出た。『菅総理では戦えない』とう声もありますが『ポスト菅』がいない。ワクチン接種で感染を抑え込み、東京五輪の成功で政権を浮揚させ、勝負に出るのが現実路線です」(自民党関係者)
4月25日に前哨戦となる衆院北海道2区、参院長野選挙区の補欠選挙、参院広島選挙区の再選挙の投開票が行われる。北海道2区は候補者擁立を断念し、長野は立憲民主党・羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴い、「弔い合戦」で野党は気合十分。広島も河井案里元参院議員の当選無効による再選挙だけに、厳しい戦いが予想される。
「3連敗すれば菅総理は相当、窮地に追い込まれる。そこへ、外野の小池知事がどんな揺さぶりを仕掛けてくるのか。党内は『小池リスク』を警戒しています。再延長で他の知事についた噓がバレても全然気にせずケロッとしていて、このままでは終わらない‥‥」(自民党関係者)
仮に秋に衆院選となれば、都議選の勝敗は菅総理の政権運営にも影響が出るため、なりふり構わぬ対抗策を打ち出してくるだろう。コロナ禍で続く主導権争いについて、山村氏は呆れた口調でこう話す。
「コロナ対策で結果が見せられない限り、政局を利用したパフォーマンスが続いていくことになる。2人のバトルの行きつく先には国民の不幸が待っているだけ。不毛な戦いをしている場合ではないことに気付いてほしいものです」
凡策ばかりの対決に、国民はいつまで付き合わされなければならないのか。