「人生の集大成として、政界に一石を投じようと立ち上がりました!」
タレントのデヴィ夫人が2月12日、「犬猫と人類の共生」を理念に掲げた政治団体「12(ワンニャン)平和党」の結党を発表。目玉政策として「犬猫食禁止法」成立を目指すことを明言した。
この日行われた記者会見には、選挙対策委員長で都知事選の際「石丸旋風」の立役者として貢献した“選挙の神様”こと藤川晋之助氏も同席。夫人は東京や大阪など日本国内には、いまだ犬肉を提供するレストランが約50軒あるとして「日本は先進国であるにもかかわらず、犬食禁止が法令化されていない。私自らが、立ち上がればと決意を固めた次第です」と政策実現を訴えた。
とはいえ、一部報道によれば、20トンの犬肉が最後にベトナムから輸入された、との記録があるのは2017年まで。以降は記録は確認されていないことから、夫人の主張が正しければ、国内で犬肉が生産されている可能性もあるということになるが…。
「厚労省によれば、犬肉の販売自体は法律で禁止された行為ではないため、きちんと食品衛生法における食肉処理業許可を受けてさえいれば加工及び販売は問題がないそうです。一昔前にはたしかに東京・浅草や大阪・鶴橋などで犬肉を扱う店はあったものの、近年はイメージの問題から大半が姿を消してしまった。そのため、今でも犬肉を出す店があったとしても、おそらくは常連さん相手の裏メニューではないのか。そうなると店を特定するのが難しいため、実態を把握、禁止法の成立まで持っていくのは相当ハードルが高いかもしれませんね」(全国紙記者)
デヴィ夫人自身も比例代表で出馬予定だが、現在、夫人はインドネシア国籍。出馬条件を満たすためには日本国籍取得が必須条件になるため、申請中であることも明らかにした。このニュースが報じられると、SNS上ではさっそく賛否両論、様々意見が噴出。《犬猫と人類の共生、その理念は賛同するが、法案成立は無理では》《現状、愛護団体も問題視していないし、犬肉を出す店があるのかどうか甚だ疑問》《動物保護団体設立は大いに結構!でも、政治と結びつける必要あるのか?》《それより、動物虐待に対する罰則を強化をアピールしたほうがいいんじゃない》等々の意見が飛び交った。
さらに、一部インフルエンサーがXに、毛皮のコートを着た夫人の写真を掲載したことで、《イタチ70匹を使った毛皮コート(4000万円)を愛用してる時点で言葉に説得力がないな》《愛護活動に特化した政治団体を作ろうとしている方が毛皮のコートはないんじゃないの》といった批判も。
「今から9年前の2016年。東京都知事に出馬した小池百合子知事も、公約の一つに動物愛護相談センターの機能の強化するなど『ペット殺処分ゼロ』を掲げたことがありましたが、あくまで政策の一つに過ぎなかった。現行法においても、幼齢犬猫の販売制限や取引相手の法令遵守確認等々、動物の愛護と動物の適切な管理を求める動物愛護管理法はあります。ただ、実態調査はあくまでもWEBによるアンケート程度で、実態が把握されているとは正直言い難いのが現状です。今回、夫人が目玉政策として掲げる犬猫食禁止法成立のためには、犬肉を出している店の具体的な実態調査が必要になりますが、アンケートの実施程度ではわからないはず。問題は山積していると思われますね」(同)
夫人による「人生の集大成」だという新生党設立と政界進出、なかなかどうして波乱の船出になりそうだ。
(灯倫太郎)