けしからんコロナ政局(2)小池都知事、内閣支持率が下がると上機嫌の”怪”

 菅総理と小池知事の因縁は、12年の自民党総裁選までさかのぼる。「安倍vs石破」の一騎打ちが行われ、小池氏は石破優勢の情報が入るや、急に態度を翻して石破茂元幹事長(64)を支持。安倍陣営にいた菅総理を「憎き敵」とみなし攻勢をかけていく。

 こうして犬猿の仲となった2人はコロナ禍でも舌戦を展開し、昨年7月に官房長官だった菅総理は、都の対応を「圧倒的に東京問題」と批判。すぐさま小池知事は「GoToトラベル」キャンペーンを取り上げ、「冷房と暖房を両方かけるようなもの」と皮肉った。

「菅総理は本当に嫌いなようで、公の場以外で小池氏を名前で呼ぶことはなく、『彼女』という言い方をするほど」(自民党関係者)

 小池知事にとっても怨敵なのは間違いなく、こんな表情が目撃されている。

「菅総理の内閣支持率が昨年12月に『不支持』が『支持』を上回り、1月末には朝日新聞の世論調査で最低の33%を記録。支持率が下がるたびに小池さんはニコニコしていて上機嫌なんです」(都政担当記者)

 菅政権の評判が落ちれば、自分の評価が相対的に上がることを知っている小池氏は、「2番勝負」となる7月の都議選でも鼻を明かす構えだ。
 
 17年の都議選では「小池旋風」を味方に、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が追加公認を含めて55議席を獲得。最大会派となって勝利を収めた。しかし結党以降、8人が離れている。

「その原因は、都知事選で掲げた『7つのゼロ』の公約をほとんど実現しておらず、信頼感がなくなったこと。また、恐怖政治とも言われ、自由闊達に意見できる雰囲気はなく、都民ファの議員はいつも小池知事の顔色を窺い、相当ストレスを感じています」(都政担当記者)

 まとめきれない小池氏は、1月31日に投開票された千代田区長選で焦りが見えた。都民ファ推薦の前都議・樋口高顕氏(38)を応援するため、昨夏の都知事選では新型コロナ対策を理由に一度も外で選挙運動を行わなかったが、いきなり街頭演説に現れ、「小池劇場」を展開した。

 結果は自公推薦の候補者に大差をつけて勝利。ただ、その代償は大きく、緊急事態宣言中に自ら客寄せパンダで作り出した街頭演説の「密」状態が批判を浴びた。

 コロナの感染者数の下げ止まりが続く状況でも、

「もう一段階ギアを上げて」

「朝・夜、平日・休日、どちらも外出を控えて、ここはとことんステイホーム」

 と無策を認める発言ばかり。都民に丸投げなのだ。

 風当たりが強まる小池氏をよそに、千代田区長選で官僚クラスを投入しても負けた自民党は、自民都連と公明都本部が都議選に向けて「協定」を結ぶため、逆襲を誓って歩み寄っていた。

「前回の都議選で、公明は自民との連携を解消し、自前候補がいない選挙区で都民ファの公認候補を推薦。自民は歴史的惨敗で第1党の座を奪われる苦汁を味わった。今回は初めて協定まで結び、裏切りは許さないという姿勢で都民ファと全面対決になりそうです」(都政担当記者)

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