デジタル専門オンラインメディア「BCN+R」が発表するスマートフォン週間売れ筋ランキング(3月1日~7日集計)によれば、iPhone SE2が1位、2位を独占するなど相変わらず小型スマートフォンは根強い人気を誇っている。しかし、残念ながらそれはiPhone12miniには当てはまらなかったようだ。
「10日、日本経済新聞がiPhone12miniの今年上半期の生産量が削減されたと報じています。アップルはiPhoneの全機種の生産量を昨年末の計画より20%削減しており、そのほとんどがiPhone 12 miniだというのです。なお、iPhone12シリーズ全体の21年の生産量は昨年より11%増やす予定だというので、miniだけが集中的に減産されることになるわけです」(社会部記者)
なお、米調査会社「CIRP」が今年1月に発表したデータによれば、20年10月~11月にiPhone総販売台数のうちiPhone12miniは約6%しか売れていなかったことが明らかになっており、米JPモルガン・チェースの最新レポートでは21年第2四半期(4~6月)を機にアップルはiPhone12mini生産を停止するとして、「歴代シリーズで最も寿命が短いモデルになるだろう」と予測しているのだ。
なぜここまでiPhone12miniは不人気な機種になってしまったのだろうか?
「小型スマホを利用する人は手軽さや安さを重視する傾向にあり、多くのユーザーはPCやタブレットを所持しているためiPhone12のようなハイスペックは必要なく、何より値段が高すぎると感じているようです。また、現在はコロナ禍ということもあり、iPhone12miniの顔認証はマスクを付けたままではなかなか反応してくれないことから、従来からのTouch IDが搭載されたiPhone SE2が支持を集めたと見られています」(ITジャーナリスト)
ちなみに、次世代のiPhone13では“mini”を用意せず、iPhoneの小型スマホは廉価版であるSEシリーズに集約されると予想するアナリストも少なくない。
(小林洋三)