「X」倒産危機の一方、マスク氏は社員が住む「巨大ユートピア建設」を進めていた

 ついに倒産説が持ち上がるほど、「Ⅹ」が苦境に立たされている。

 イーロン・マスク氏が反ユダヤ主義的な思想性を見せたり、フェイクやヘイトの投稿が増えたとの悪評から、アップルやディズニーをはじめとする多くの企業が「X」から広告を引き上げた。するとマスク氏は11月29日のイベントで、撤退した広告主に向けて「くたばれ」と捨て台詞。彼が何か発言する度に大いに顰蹙を買って、ついにピンチを迎えているというのだ。

「Ⅹの昨年のデータでは、売り上げの9割が広告収入です。それが激減すると本当にヤバい。マスク氏は440億ドルでツイッターを買収した時に借り入れた約130億ドルの債務が残っています。利息だけで年12億ドル(約1733億円)との報道もありますが、私財を投じるようにも見られないため、倒産も十分ありえます」(経済ジャーナリスト)

 その一方で、マスク氏がいまご執心なのが「大学設立」なのだという。

 マスク氏の慈善団体が提出した税務文書から明らかになったもので、それによれば、マスク氏の寄付金1億ドルを初期費用に、STEM(科学、技術、工学、数学)に特化した小中学校をつくり、最終的には大学を設立する契約なのだという。

 実は、いきなりこういう話が出たわけではない。というのも、マスク氏がテスラ社ごと転居したテキサス州オースティンのバストロップ郡で、彼が「町」を建設しようとしていることが、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に今年4月に報じられているからだ。

「それによると、マスク氏は1417ヘクタール(東京ドーム約300個分)の土地を購入していて、110戸の住宅建設を計画。格安の家賃で、テスラやスペースXなどグループ従業員から転居希望者を募集したというのです。さらにマスク氏は州から許可を得て『自治体』にまでしたいのだとか。自治体になるにはテキサス州の法律で201人以上の住人が必要ですが、とりあえずまだそこまでの動きには至っていないようです」(同)

 本人も含め、グループ従業員の「ユートピア」を作りたいのだという。会社から解雇されたり退職したら、30日以内に退去しなくてはならないところは、いかにもマスク氏らしい。彼の頭の中には、Ⅹ以外にも考えることがいくらでもあるようだ。

(猫間滋)

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