「クラブハウス」早くも下火!?「音声SNS」とポッドキャストの未来

 何かと話題の音声SNSの「クラブハウス」。しかしブームというのは飽きられるのも早いもので、LINEリサーチの調査では、30代の利用者は増加しているが、10〜20代では早くも減少しているという結果が出ている。

 だが、数多あるSNSにはそれぞれの使い方があり、本当の魅力が理解されるのはこれからなのではないだろうか。というのも、クラブハウスの人気を受けてお馴染みの大手テック企業もこの分野に参入しようとしているので、しばらくは「音声」を巡るサービス競争が激化するかもしれないからだ。

「音声SNSへの参入が報じられているのは、フェイスブックとツイッターです。特にフェイスブックはCEOのザッカーバーグがクラブハウスに登場したことで人気の呼び水になった経緯もあって、本人がいたく音声SNSに興味津々だと伝えられています。同社では音声SNSの開発の初期段階で、ツイッターではすでに音声機能がある上に、『スペース』と呼ばれる音声チャットルームを用意しているそうです」(IT分野に詳しい経済ジャーナリスト)

 一方、同じ「音声」でも通話アプリとは異なるものの、すでに大きなマーケットになっているのがポッドキャストだ。

「ポッドキャストは、モバイルデバイスでの保存や再生を前提としてネット上にそのデータを公開します。なのでこちらは『配信』の形をとりますが、アップルのiTunesに始まり、スポティファイやグーグル、アマゾンといった巨大テック企業が次々とポッドキャスト機能をスタートさせて新たなメディアとして激しいビジネス競争を展開し、関連企業を傘下に収めるM&A攻勢を展開しています。アメリカではユーザーの増加によって広告市場は800億円規模と言われています」(前出・ジャーナリスト)

 同じ「音声」を巡っては、先行するポッドキャスト市場はすでにこのような展開になっている。そこへ生まれた音声SNS。一過性の流行から早晩、大小の企業入り乱れての競争の場に化しそうだ。

(猫間滋)

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