数々の長寿番組もしくは大物司会者などによる番組が終了するとなって、時代が時代だけにテレビ番組が変わりつつあると話題となっている。
終了が決まっているのは、特に長かった小倉智昭の「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ系、22年間)、森本武郎の「噂の!東京マガジン」(TBS系、31年半)の他、「メレンゲの気持ち」、「火曜サプライズ」(日本テレビ系)、「サワコの朝」、「スーパーサッカー」(TBS系)などが終了する予定だ。関西でも99年にスタートして「ぷいぷい」の通称で知られる、毎日放送の情報バラエティー番組の「ちちんぷいぷい」の終了が決まっている。
「理由はコロナ禍で企業業績が悪化して広告費が減少したことが大きいでしょう。とくに大物司会者を起用した長寿番組は、不況だからといってギャラを減額するわけにもいかず、コスト的にどうしても厳しくなる。コロナの影響で従来の製作スタイルを見直さざるを得ない番組もあったようです」(週刊誌芸能記者)
また、SNSやネットメディアの隆盛でそもそもテレビがもうあまり見られていないという構造的な問題が背景にあるのは言うまでもないだろう。
そんな時代だから、影響は芸能事務所にまで及んでいる。
「エイベックスが青山の巨大本社ビルを売却するというニュースは広く報道された通りですが、いくつかの有名芸能事務所も会社を移転もしくは移転を検討していて、時代の趨勢を感じさせます。例えばモーニング娘。で知られるアップフロントプロモーションは昨年末に、港区東麻布から品川区五反田に移転。サザンオールスターズや福山雅治といった超人気アーティストを多数抱えるアミューズも、渋谷のオフィスから富士山麓に本社機能を移転する計画を報じられました。実際にそういった計画があるかどうかはともかく、会社はリモートワーク化によるオフィス機能の縮小の可能性は認めています」(前出・芸能記者)
かつてテレビの威光が輝いていた時代は、そのテレビ局に近いロケーションで賃料も高い港区や品川区の一等地にオフィスを構える事務所が多かった。利便性が高いのが一番の理由だが、オシャレな土地にオフィスを構えるのことがそのまま事務所ひいては所属タレントのブランドイメージを高めることにもつながったからだ。
だが、その威光も今や輝きは薄くなり、リモートの時代が本格化すれば無駄に高額な賃料を払う必要性も感じられなくなる。
テレビ離れは芸能プロダクションの都心離れというドーナツ化にも影響を及ぼしているようだ。
(猫間滋)